お金とは何か?…金本位制とビットコイン
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ゴールドやビットコインへの評価は?…現代社会の写し鏡
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(5)ゴールドや暗号通貨への評価
養田功一郎(元三井住友DSアセットマネジメント執行役員/YODA LAB代表/金融・経済・歴史研究者)
ゴールドと暗号通貨は、ともに現代社会でプレゼンスを増しているが、それでも現行の法定通貨に取って代わることは難しいという。希少性や質の安定性がありながら、社会のメイン通貨たり得ない両者の欠点を分析し、通貨のこれからを考える。(全5話中第5話)
時間:8分13秒
収録日:2025年10月24日
追加日:2026年5月1日
≪全文≫

●ゴールドと暗号通貨に共通する希少性と質の安定性


 このようにゴールドや、暗号通貨を見てきましたが、ここでもう一度、おさらいのために、両者を比較してみたいと思います。

 ここでの比較の特徴は、〈1〉法定通貨に変わりメインの通貨として存在する場合、〈2〉法定通貨と併存する場合、〈3〉法定通貨の元で資産として存在する場合にわけて評価するというものです。通常ゴールドや、ビットコインに対する評価は〈1〉〈2〉〈3〉の概念が混在していることが多く、例えば「通貨として評価していながら結局は資産としてみている」というようなこともあります。

 まず、表全体に左は暗号通貨、特にビットコイン、右はゴールドに分けていますが、上から、〈1〉〈2〉〈3〉共通の評価、そして〈1〉〈2〉〈3〉それぞれの評価・ネックを順番に示していきます。

 まず最初にいえるのは、〈1〉〈2〉〈3〉全ての観点において、両者とも、「希少性」、「質の安定性」については高く評価されていると思いますし、評価できる故、価値があると認識されているわけです。もっとも後で申し上げますが、社会的認知と実績の差で、ゴールドの方が評価は高いと思います。


●なぜ法定通貨に取って代われないのか


 実は、この「希少性」や「質の安定性」をもってして、「金本位制が復活する」「ビットコインは通貨たりうる」との主張が出てくるわけですが、実際に法定通貨に代わってメインの通貨として存在する場合や、法定通貨と併存する場合を考えると、次のような欠点が見えてくるわけです。

 まずは〈1〉、法定通貨に変わってメインの通貨として存在する場合ですが、先ほどの頭の体操のようなことも考えてみましたが、やはり量が限定的であるがゆえ、経済発展、物流の増加に対して通貨量を拡大することができず、経済のコントロールが難しくなります。もっとも、それでも仮に通貨として実際に使う場合の利便性、流動性はビットコインの方が高く、価値はさておき、「交換手段」という機能を見れば、ビットコインに軍配が上がるでしょう。

 次に、〈2〉法定通貨と併存する場合は、エルサルバドルの例でも見たように、法定通貨と交換しながら使う必要があり、価格変動が大きいことがネックとなります。そうすると、特に値段の高いものを売買する際は、交換手段としての機能が低下...

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