徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
井伊直弼のジレンマ…政治家の実力と同居した致命的な矛盾
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(4)官僚集団の問題と井伊直弼のジレンマ
井伊直弼の政治家としての力量はどうだったのか。小栗忠順や勝海舟、あるいは阿部正弘以降の幕府官僚たちと比較し、その真価に迫る最終話。幕末期、時代が急激に動こうとする中、それまでの徳川の伝統を重んじながら、政策面では当時の時代状況に合わせることにも忠実であろうとした井伊は、徳川斉昭とは別の意味でジレンマを抱えていた。はたして彼は大政治家だったのか。それとも…。(全4話中第4話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:11分28秒
収録日:2021年4月12日
追加日:2026年8月28日
≪全文≫

●井伊直弼は政治家として十分に合格点


山内 幕府の中から──岩瀬忠震、川路聖謨、水野忠徳の誰であれ──「それは許されることではない」という声が上がった。その少し後になると、勝(安房守)麟太郎(勝海舟)や小栗又一(小栗上野介忠順)が出てきた。彼らは(井伊直弼とは)別の形で徳川のビジョンを考えようとしたし、(彼らなりの)別のやり方があるわけです。

―― そうでしょうね。確かに(井伊は)小栗や勝のやったこととは大分違いますね。

山内 違っています。小栗と勝も違います。しかし、幕臣としてどうあるべきかということについては(共通したものがあったでしょう)。

―― そこはしっかり持っておられますね。

山内 岩瀬、水野、川路なども、もちろん優秀な人間でした。だから、彼らにある種の処分を出しておきながら、きちんと言い聞かせて復職させたり、また使ったりする(とよかったでしょう)。井伊の死後、一部は実際にそうなったこともあり、そういう機会を井伊自身が持つぐらいの人事感覚を備えていないと駄目だったと私は思います。

―― その度量があれば、井伊は大政治家になっていたわけですね。

山内 私は、政治家としてはもう十分に合格点だと思います。ただ、大政治家の「大」をどういう基準で誰を念頭に置いているのか分からないけれど、そこにはなかなか一長一短があると思います。水野忠邦も、阿部正弘も、井伊も一長一短がある。次に出てくる堀田正睦もなかなかの人物だし、安藤信正も同様です。幕府の老中で政治家として語れるのは、この堀田と安藤まででしょう。その2人と比べると、井伊の政治家としてのスケール感はやはり大きい。

 なんといっても決断ということ。それから、していいことかどうかというのは、評価に関わるからなかなか簡単にいえないけれど、「安政の大獄」のようなことをやっていくという決意は、やはり並みの人間ではないと思います。


●桜田門外の変がなければ、京都で安政の大獄レベルの粛清か


―― もし桜田門外で井伊が殺されなければ、「とりあえず開国して、力をつけてから攘夷を行う」という形で孝明天皇と話をして、そうしたら日本のその後の形はずいぶん変わっていませんか。

山内 そうですね。これは仮定の問題が入ってくるから(そうとは言い切れませんが)、井伊がそのように乗り込む可能性はあったかもしれません。堀田は実際に...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
『昭和16年夏の敗戦』と『昭和23年冬の暗号』
『昭和16年夏の敗戦』『昭和23年冬の暗号』が映す未来とは
猪瀬直樹
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか(1)今川「人質」時代と今川義元の思惑
徳川家康の秘密…「辛抱」イメージとは異なる自由奔放な人質時代
小和田哲男

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(32)鎌田東二先生の法華経講義解説-1
【10min名作探訪】鎌田東二先生の『法華経』講義の核心ビジョン
テンミニッツ・アカデミー編集部
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(5)「原則なし」の日本
世界は「原則」でできているが、日本は「原則はなし」にする
橋爪大三郎
おもしろき『法華経』の世界(1)法華経はSFだ!
法華経はSFだ!…心を元気にしてくれる法華経入門
鎌田東二
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
Microsoft Copilot~AIで仕事はどう変わるか(7)AI活用の落とし穴
AIへの不安と懸念…だからこそ「教養」が必要になる
渡辺宣彦
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
「ホメロス叙事詩」を読むために(1)ホメロスを読む
2700年前のホメロスの叙事詩が感動を与え続ける理由
納富信留