家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
軍師・太原雪斎…幼き徳川家康に受けさせた教育とは
第2話へ進む
徳川家康の秘密…「辛抱」イメージとは異なる自由奔放な人質時代
家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか(1)今川「人質」時代と今川義元の思惑
小和田哲男(静岡大学名誉教授/文学博士)
徳川家康の実像が近年、大きく変わってきている。これまでのリーダーシップが前面で出た「徳川中心史観」から、むしろ家康は家臣団によって支えられてきたというのだ。また、少年時代「人質」だった家康だが、いわゆる「辛抱、辛抱」というイメージとはかけ離れた、自由奔放な生活を送っていたという。それを物語るエピソードが3つある。それは何か。シリーズを通して家康の人間成長、その過程で培われた戦略性の真相に迫っていく。(全5話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分05秒
収録日:2022年10月3日
追加日:2023年1月3日
≪全文≫

●「徳川中心史観」から変わってきた徳川家康のイメージ


―― 皆さま、こんにちは。

小和田 こんにちは。

―― 本日は小和田哲男先生に「家康の人間成長~その戦略性はいかに培われたのか」というテーマでお話をいただきます。小和田先生、どうぞよろしくお願いいたします。

小和田 よろしくお願いします。

―― 今回取り上げる徳川家康は、いわずもがな、長いことずっと人気がある戦国武将です。大河ドラマでいっても、例えば1983年には山岡荘八さんの小説を原作とした『徳川家康』が滝田栄さんの主役で演じられました。昭和の、特に戦後の「徳川家康」イメージには、山岡荘八さんのつくられたイメージが大きく働いているような気がします。その後、家康像は歴史の中で多少変わってきたりしているのでしょうか。

小和田 そうですね。山岡さん原作の頃はまだ、「徳川中心史観」という言い方をしますが、「家康に間違いはない」というような見方で、小説も描かれていました。しかし、その後少しずつ、やはり家康にも失敗はあったし、間違いも犯したというように、少しずつイメージが変わってきています。

―― なるほど。一番大きく変わったのはどのあたりになりますか。

小和田 昔はどちらかというと、家康のリーダーシップが前面に出て、それでみんながついてきたという感じでした。しかし、最近はむしろ家康は家臣団によって動かされてきた、ないし家臣によって支えられていたというイメージが、かなり定着しています。

―― なるほど。小和田先生は『徳川家康大全』(KKロングセラーズ)というご本で、昔と今の違い、最近分かってきている実像などについて、いろいろとお書きになっているので、本日はそのあたりをお聞きできればと思います。

小和田 分かりました。


●「辛抱」のイメージとは異なる自由奔放な「人質」時代


―― まずお聞きしたいのが、家康というと出てくる「遺訓」についてです。これは本物か偽物かという議論もありますが、「重き荷を負いて、辛抱、辛抱でやっていく」というイメージがあります。『徳川家康大全』を読むと、子どもの頃は人質として織田家に行って…。

小和田 最初、(織田家に)行って。

―― そこから今川のほうに行くことになります。しかし、人質だからといって必ずしも抑圧された厳しい生活をしていたわけで...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
平安時代の歴史~「貴族道」と現代(1)日本の歴史における平安時代の意味
平安時代の意外な真実…貴族社会の華やかさの裏の激動と転換
関幸彦
「武士の誕生」の真実(1)10世紀の東アジア情勢と「王朝国家」
武士は「お手本がない時代」だからこそ生まれた…武士誕生の真実と大唐帝国の解体
関幸彦
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也

人気の講義ランキングTOP10
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(3)国司と郡司のつきあい
郡司の妻たちと宴会!?……国司・大原真人今城へのはなむけの歌に記された「媚態表現」の真相と人心掌握術
上野誠
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(6)認知症予防と健康寿命の延伸に向けて
フレイル・サイクルは回り出したら抜けられない!?負のスパイラルへの対処法
小川純人
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
戦国武将の経済学(3)豊臣秀吉の経済政策
豊臣秀吉の驚愕の国内貿易…莫大な財力を生んだ経済政策
小和田哲男
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男