家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「権ある者は禄少なく」とは?徳川幕府260年の安泰の秘訣
家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか(4)領地経営と幕藩体制の仕組み
小和田哲男(静岡大学名誉教授/文学博士)
徳川家康はライバルともいえる戦国武将たちから多くのことを学んでいる。武田や北条からは河川対策や鉱山経営、街道整備や伝馬制度など、先進的な領国統治の方法を学んだ。さらに関ヶ原の戦いで得た多くの領土を分配する際に、禄高と権力のバランスを取るなど、江戸幕府260年の安泰の基礎は、戦国時代に固まっていた。(全5話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:14分45秒
収録日:2022年10月3日
追加日:2023年1月22日
≪全文≫

●武田、北条氏から学んだ領地経営の方法


―― (徳川家康と)武田との関係ですが、本能寺の変が終わった後、甲斐と信濃を攻略して自分の領地にしていくことになります。先生がおっしゃるように、そこで武田の遺臣などもずいぶん召し抱えました。では、領国の統治について、統治法などで武田から影響を受けたことはあるのでしょうか。

小和田 領地経営という点から見ると、武田の場合は有名な「信玄堤」というものがあります。河川の制御、要するに洪水をいかに防ぐかといった点で、いわゆる「甲州流川除(かわよけ)法」を家康は結構学んだのでしょう。後に有名な伊奈忠次など、河川対策に長けた人を登用しています。

 それからもう一つ、甲斐には金山がたくさんありました。そこから、おそらく金山収入のようなものが大事だということを武田から学んだと思います。その点で象徴的なのは大久保長安です。もともと武田の家臣だったのですが、武田が滅びた後、自分の家臣に取り込み、石見銀山や佐渡金山の奉行のような職を任せています。そういう点から、武田から学んだのは、いわゆる錬金術的なことが結構大きいのではないかと思います。

 さらに加えると、取り込んだ(武田の武士)800人のうちほぼ1割を家臣の井伊直政につけた。武田のいわゆる「赤備え」、つまり旗や鎧を赤に統一した軍団ですが、彼らを井伊直政につけたことで、「井伊の赤備え」ができたわけです。

 これらを見ると、武田から受けた影響は、家康のその後の発展にかなり大きな役割を果たしています。

―― 自分が領国にしたところからの影響ということでは、(武田の)次に小田原攻めがあります。秀吉に命じられて、これまでの領地から「関八州(関東)」への国替えとなりました。北条氏も領国統治では有名な大名ですが、こちらの影響はあるのでしょうか。

小和田 北条氏からの影響としては、北条氏がかなり先進的に行っていた検地があります。太閤検地の時と重なりますが、家康独自の検地を行う基礎として、検地の方法は学んだでしょう。

 もう一つ、北条氏の領地では街道整備と伝馬制が進んでいました。そうした彼らの進んだやり方を家康は後の東海道整備や伝馬制度にうまく取り入れています。

 私はよく「信長と家康の違いは何か」という質問を受けます。信長は自分に敵対した者に対しては徹底的な排除を行いましたが、家康はむしろ自...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(1)弥生時代はいつ始まったのか
なぜ弥生時代の始まりが600年も改まった?定説改訂の背景
藤尾慎一郎
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(1)なぜ日本人は突入できたのか?
福島第一原発事故…日本の危機と闘った吉田昌郎と現場の人々
門田隆将
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
歌舞伎の魅力とサバイバル術…市川團十郎の歴史から考える
堀口茉純
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(6)賴住光子先生ラフカディオ・ハーン論
ラフカディオ・ハーン『怪談』と『神国日本』の深い秘密
テンミニッツ・アカデミー編集部
印象派の解体と最後の印象派展(5)ポスト印象派の台頭
ゴーガン、ルドン、スーラ、ゴッホ…ポスト印象派の時代へ
安井裕雄
墨子に学ぶ「防衛」の神髄(1)非攻と兼愛
『墨子』に記された「優れた国家防衛のためのヒント」
田口佳史
『孫子』を読む:地形篇(1)六地形の戦略を学ぶ
ベトナム戦争でホー・チ・ミンが学んだ『孫子』地形篇とは
田口佳史
変化する日本株式市場とPEファンド(3)米国型への転換を迫られる日本企業
いまアクティビストの動きは?…進む「米国化」の現状
百瀬裕規
AI時代と人間の再定義(6)道徳の起源から考えるAIと感情の問題
道徳の起源は理性か感情か?…AI時代に必要な思考の身体性
中島隆博
新撰組と幕末日本の「真実」(4)江戸の剣術道場が流行した背景
剣術三大流派の道場主も農民出身?…剣術道場の意外な真実
堀口茉純
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(1)なぜ日本人は突入できたのか?
福島第一原発事故…日本の危機と闘った吉田昌郎と現場の人々
門田隆将
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(7)領国経営と秀長の統治能力
想像以上に有能――領民に慕われた秀長のリーダーシップ
黒田基樹
大谷翔平の育て方・育ち方(7)不可能を可能にする力
「てっぺん」を目指したい――不可能を可能にする秘密とは
桑原晃弥