徳川家康と貞観政要
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
喜ばせて撤回するのは最悪…トップは口を出さず最後まで聞く
徳川家康と貞観政要(8)『詩経』の教えと日本の国家運営の形態
田口佳史(東洋思想研究家)
いつの時代も税についての関心は高い。平和で安定した世の中を運営するには必要であっても、重税を強要すれば社会の暗黒化を招くこともある。『貞観政要』では税の公平性とトップのあり方について学ぶことができる。これを読んだ徳川家康は臣下をどのように導いていったのか。(全9話中第8話)
時間:10分51秒
収録日:2020年1月11日
追加日:2023年4月30日
≪全文≫

●いつの時代でも問われる税の公平性


 「貞観三年」ですから、3年経ったということです。「詔(みことのり)有りて、関中」、関中は前にもありましたが、函谷関以西の長安の周りに、「二年の調税を免じ」、2年間税を払わなくてよしとしたわけです。それから「関東」というのは、函谷関の東のほうは、「給復すること一年」で、そちらは1年間にしました。要するに、それほど甚大な被害ではなかったので、そちらは1年免税するということです。

 そして、「ああ、免税なんだ、税を払わなくていいんだ」「税金はなしだ」と言って喜んでいたところ、すぐ「尋(つ)いで勅(みことのり)」がまた発布されて、「已(すで)に役し已に納むるは」となります。この税金というのは2通りあり、要するに自分で穫った作物を納めるというものと、それから兵役・労役に就くというものの2つありました。

 あとのほうを「丁男(ていだん)」と言います。ええ、と、これは簡単に言うと、成人になった男性には、国家がそれなりの税金とか兵役・労役を要求することになっていて、その決まりを言っています。

 「已に役し已に納むる」、ですから、すでに労役をやってしまった、労役にとられて労働をやってしまったとしても、労役はスタートしているわけなので、例えば道路を今年1年でつくるというときに、その道路をつくる役割としてそれを与えられたことになりますから、そうすると1年ずっとやらなければならず、それは免除しないということです。つまり、すでに労役に就いた人間はそのまま続けてくれということなのです。

 「已に納むる」、要するに、税金を納めるにしても、当時、一度に納めるということは無理ですから、何期分、何期分と分割します。ですから、1期分をすでに払ったという人には、その年は全部払い終えてくれというもので、「已に役し已に納むるは、並びに輸納し了(おわ)らしめ」と、納入を1年間ちゃんとやってくれれば、「明年」、次の年は、「総べて為めに準折」というように、本来は納税しなくてもよいという免税だったのを、労役、それから税を払ったのだから、次の年はそれを勘案して、それで「準折」というのは、差し引いてということですから、減税、減免しますという意味です。このように発布したというわけです。


●鳩でさえも子を平等に育てる


 そのようなとき...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎
キケロ『老年について』を読む(1)キケロの評価と「老年の心構え」
幸福な老年への智恵をキケロに学ぶ…惨めな老年の4つの理由とは
本村凌二
小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(1)「断絶」を乗り越えるという主題
小林秀雄と吉本隆明の営為とプラグマティズムの格率
浜崎洋介
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
三日坊主、部屋が片付かない…なぜできないか行動分析学で考える
島宗理
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(26)お盆とあの世を考える
【10min解説】特集で考える《お盆とあの世》の本質
テンミニッツ・アカデミー編集部
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(3)共産軍を殲滅――金門島での戦い
共産軍2万を金門島で殲滅…ただし一般人の命を守る軍人の本義を重視
門田隆将
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
日本の財政の真実を検証する(7)AIと長寿化&質疑応答
AI時代にこそ「熟達者の経験」が生きる&現状の日本経済の実情は
宮本弘曉
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
資本主義の再定義…哲学で考える(2)今の時代の人間観と共生
「共生」の本当の意味とは?…人間はHuman Co-becoming
中島隆博
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(7)自分の人生のために
AI時代こそAIでなく「生きた学び」で自分の人生を膨らませる
橋爪大三郎
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫