徳川家康と貞観政要
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
政治も教育も「五倫」や「仁義」に限る…古典を読む大切さ
徳川家康と貞観政要(7)政教仁義の道と古典
田口佳史(東洋思想研究家)
徳川家康は多くのことを古典から学んだ読書家だが、その古典の一つ、『貞観政要』に「君臣父子、政教仁義の道、並びに書内に在り」とある。「君臣父子」とはいわゆる五倫、すなわち人間関係で基本となる5つのことで、「政教仁義」は指導者に欠かせないものを意味するが、それら全てが古典にあるというのだ。ではその仁義の本意にかなう行動はどのようにしたらできるのか。古典を読む大切さとともに解説する。(全9話中第7話)
時間:15分49秒
収録日:2020年1月11日
追加日:2023年4月23日
≪全文≫

●社会が乱れるのは全て上に立つ者の責任


 「貞観二年」、太宗が帝位に立って2年目です。太宗は周りの側近に、「自分はこのところ思っていることがあるのだが」と言いました。「乱離の後」とは、世の中が大いに荒れてということで、それこそ心が離反しているようなときは、いろんな事件があったり、いろんな苦難があった後というのは、会社でも家庭でもみんなそうですが、「風俗」というのは社会生活上の規範や風紀ということです。

 世の中、何かずいぶん社会が退廃しているとか、荒(すさ)んでいるなどというのは、全部風俗のことを言っているわけです。江戸時代の時も、それぞれの藩の風俗というのは全然違い、次の藩に入ったりすると、もう一目で分かるというくらいに風俗が違うと言われるほどでした。

 そのような風俗、そういう社会から感じ取る雰囲気というものは、人間の心の集積ですから、そういうものは乱離の大乱の後ではなかなかよくならないだろう、「移し難し」、つまり変えることは難しいだろう、と太宗は思っていたというのです。

 しかし、2年目にして、この「百姓」、国民を見ると、「漸(ようや)く廉譲(れんじょう)を知り」、廉譲とは、「廉」、心が清く、「譲」、他人に譲ることで、あなたからどうぞと譲るような、そういう廉譲を知り、「官人」、役人は、「法を奉じ」、法律をしっかり行き渡らせて、その結果「盗賊日に稀なり」、最近は盗人などがとても少なくなって、犯罪がものすごく少なくなりましたというわけです。

 したがって、私は知ったと言っているように、人間には一定の風俗などはないということです。ひとえに「但だ政(まつりごと)に知乱有るのみ」、つまり上の行政あるいは政治、皆さんでいえば経営、トップという人のあり方によって、大乱になるか平穏無事でいくかなどは、全てそういうところにあり、上次第なのだということです。下にはもう一定の風俗などはない、上次第なのだということを、自分は痛感したと言っています。

 そして、「是を以て、国を為(おさ)むるの道は、必ず須(すべから)く之を撫(ぶ)するに仁義を以て」は、つまり国民を常に撫で慈しむ、あるいは部下を撫で慈しむことが重要で、気づかってやることがいかに大切かということです。それは仁と義です。仁は慮(お...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
「50歳からの勉強法」を学ぶ(1)大人の学びの心得三箇条
大人の学び・3つの心得=自由、世間が教科書、孤独を覚悟
童門冬二
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
道徳と多様性~道徳のメカニズム(1)既存の道徳の問題点
多様性の時代に必要な道徳とは…科学的アプローチで考える
鄭雄一
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介

人気の講義ランキングTOP10
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
聖徳太子「十七条憲法」を読む(1)十七条憲法を学ぶ現代的意義
聖徳太子の「和」は議論の重視…中華帝国への独立の気概
賴住光子
これから必要な人材と人材教育とは?(2)AI時代に必要とされる能力
AI時代に必要なのは「問いを立てる能力」…いかに育成するか
柳川範之
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(3)「現場の熱」こそ多角化の要点
新規事業を成功させるリーダーとは…上意下達はなぜダメか
水野道訓
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹