徳川家康と貞観政要
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盤石の四天王、質問力、仁と義…長期政権の要諦とは
徳川家康と貞観政要(2)安定した長期政権を築くために
田口佳史(東洋思想研究家)
武王によって紂の乱を平定した周は700年以上続いた。徳川家康によって戦国の世を終わらせたと徳川の世は260年以上続く長期政権となった。いったい長期政権はどこを注意しなければいけないのか。何によって短命になるのか。この問いが重要だと田口氏は言う。『貞観政要』を読み進めながら、動乱の世を安定の世に導くための要諦を解説する。(全9話中第2話)
時間:13分27秒
収録日:2020年1月11日
追加日:2023年3月19日
≪全文≫

●徳川家康も実践した「四天王」という盤石の構図


 それでは、『貞観政要』巻第五、論仁義第十三、第二章、ここから行きます。

 貞観の初めですから、帝位に就いてすぐですが、太宗がくつろいでいました。両側には房玄齢(ぼうげんれい)とか杜如晦(とじょかい)、魏徴(ぎちょう)、王珪(おうけい)がいつもいるわけですが、この4人というものから徳川家康は学び、4人の側近を家康もつくりました。結局、この太宗も家康も、自分を中心にして東西南北に臣下がいるという、この図式が一番安定していることを知るのです。

 皆さんも日曜大工で椅子をつくろうとしたら、5脚が一番いいのです。5脚が一番安定しています。人間の集団でも、自分が真ん中で周りの4人が部下というのが一番いいのです。ですから、四天王という発想はすごく重要です。

 周の時代の武王は、その前、周王朝の前といえば殷の時代で、殷の時代の一番最後に、暴虐非道の君主である紂の乱を平らげて天下を取りました。

 秦の始皇帝も、周の衰えにより、春秋戦国時代のBC770年から221年までの500年間が戦国時代で、そのときに「周の衰へたるに乗じて、遂に六国(りっこく)を呑む」と言っているように、6つの国を併合して、それで統一国家をつくって平和にしました。

 「其の天下を得たる」ことには、要するに周の武王も秦の始皇帝も変わりません。「何ぞ祚運(そうん)の長短は」というのは、「祚運」は国の福運の長短で、要するに秦の始皇帝は15年で終わりましたが、武王がつくった周は700~800年ぐらい続いたわけです。そういう意味では、この長短はどうしてそうなったのかということです。

 ここで質問しているのは、長期政権はどこを注意しなければいけないのか、何によって短命になるのかという、この「問う」ということが重要なのです。

 例えばトップが、「長期政権というのはここがだめで、要するに長期政権はここがいい」と言ったり、「短期政権ではここがだめだ」と言ったら、訓告になります。訓話になってしまいます。

 そうではなく、聞くということが重要なのです。「なぜかね?」と。そうすると、臣下としては答えざるを得ませんから、頭脳を2回転、3回転、4回転とさせざるを得ません。臣下の頭を使わせるということが、すごく重要だということを表しています。ですから、自分は...

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