戦争と平和の国際政治
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
元外交官だからわかる、世界を知るうえで大事な「謙虚さ」
戦争と平和の国際政治(4)情報の選択と教育の重要性
小原雅博(東京大学名誉教授)
混沌とした国際情勢をどのように読み解き、考えていけばいいのだろうか。鍵となるのは情報の選択である。インターネットなどであらゆる情報が飛び交う中、適切な情報を選び取るために何が大事なのかを説く。講義後半では講演後の質疑応答編として、教育の重要性について、「謙虚さ」というキーワードとともに解説していく。(全4話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:13分34秒
収録日:2022年12月1日
追加日:2023年1月26日
カテゴリー:
≪全文≫

●適切な情報を選び取るための鍵は一次資料と歴史


―― つい先日、先生とお話をしていて、とても印象深かったお話が、物理学の場合は素人談義ができないけれども、国際政治の場合は床屋政談ができてしまうというものでした。要するに何か陰謀論のようなものがまことしやかになって、「それが正しいかもしれない」と思ってしまったり、どんな議論でもそれっぽいことを誰でも言えたりする。そういう時代においてどうやって個人として、さまざまな情報があふれ出てくる中で見極めて考えていけばいいのか。そのあたりはいかがでしょうか。

小原 やはり情報の選択が非常に重要です。今、まさにニセ情報であるとかフェイクニュース、プロパガンダについての情報戦が世界で展開されているわけです。そういった中でわれわれがどうやって、客観的で正しい情報をそこから選び出すことができるのか。これは本当に至難の業だと思うのです。

 ただ、一次的な資料に当たることはすごく大事だと思います。本も含めて、SNSなどで山のようにいろいろな情報が流れているわけですが、原点に立ち戻って一次資料を大事にしていくということが一つ重要だろうと思います。

 それから、自分の視野を広げるという意味でいうと、普遍的な正義だとか普遍的な合理性というものがないことを十分認識した上で、例えば中国はどういう国で、今どういうことが起こっているのかということを、一生懸命、好奇心を持って勉強してみる。

 そこには歴史というものがあり、歴史にはたくさん名著もある。そうした名著を読むことによって、自分の視野を広げていく。固定観念だとか偏見を乗り越えるような、幅広い読書というのはすごく必要だと思います。そういう意味で、いい本、良書を見つけ出すことです。

 古典にはやはり良書が多い。例えば、核戦争になったかもしれないキューバ危機の時に、当時のアメリカ大統領のジョン・F・ケネディは、ちょうどその危機の前にバーバラ・タックマンの『八月の砲声』という本を読んでいました。これは、第一次世界大戦がなぜ起こったかということについて、とても膨大な一次資料に当たって書かれた本で、注だけで1冊になるくらいの本なのです。

 この本は一次資料に基づいており、ケネディはこの本を読んで、「戦争は誤算、誤解で始まったから、こういう誤算を起こしてはいけないのだ。こういった本がこの危機のあと...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
躍進するインドIT産業の可能性と課題(1)下請けから世界の中心へ
インドが世界有数のIT産業の拠点へと発展した理由
島田晴雄
半導体から見る明日の世界(1)世界的な半導体不足と日本の可能性
なぜ世界の半導体不足は起きた?台湾TSMCと日本復活への鍵
島田晴雄
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生
日本を復活させる国家戦略(1)戦後の復興戦略と日本経済の凋落
「所得倍増」はなぜ成功したか…日本経済の回復のヒント
島田晴雄
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗

人気の講義ランキングTOP10
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(4)官僚集団の問題と井伊直弼のジレンマ
井伊直弼のジレンマ…政治家の実力と同居した致命的な矛盾
山内昌之
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(3)全皇帝の4分の3は「非漢族」
6000万人の漢人が、三国志の戦乱後に400万人台に…衝撃の人口変動
宮脇淳子
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
日本の財政の真実を検証する(7)AIと長寿化&質疑応答
AI時代にこそ「熟達者の経験」が生きる&現状の日本経済の実情は
宮本弘曉