『江戸名所図会』で歩く東京~駿河町・本町
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
江戸の絶景スポット、駿河町に隠された徳川家康の思惑
『江戸名所図会』で歩く東京~駿河町・本町(1)富士山と商業の町、駿河町
堀口茉純(歴史作家/江戸風俗研究家)
『江戸名所図会』を手がかりに江戸時代の街並みや生活をひもとく本シリーズ。今回は、いわゆる城下町である、江戸の町人地、駿河町にスポットを当てる。徳川家康や庶民にとって神聖な存在である富士山と江戸を取り結ぶ重要な場所だった駿河町。それが金融、商業の拠点としても江戸の中心となっていった様子を見ていく。(全2話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分40秒
収録日:2023年6月7日
追加日:2023年9月16日
≪全文≫

●江戸の町人地とはどこか


―― それでは、「『江戸名所図会』を歩く」の続きということになりますが、次はどのシーンでしょうか。

堀口 はい。前回までは家康の都市計画の中でも、道三堀という水路であったりとか。

―― 日本橋の下に流れているという。

堀口 それから道路ですね。五街道の起点となる日本橋というところに注目しました。今回は町人地の設計をする上でポイントになる部分を見ていきたいと思っております。

―― 町人地というと、大体どこの城下町でもそうですが、武家の世界と、町人の世界が分かれていることになりますが、江戸ではどのあたりが町人地になるのですか。

堀口 家康公がつくった頃の町人地、いわゆる城下町、下町として想定されていた部分というのは、江戸城からほど近い、極限的に狭い意味で言うと、日本橋から京橋のエリアになります。含んでも神田ぐらいです。ここが本当に江戸で下町と言ったときのご城下町というエリアになります。

―― そうすると、やはりそこで育った人からすると。

堀口 もう、ちゃきちゃきの江戸っ子ということです。

―― ど真ん中というところになるわけですね。

堀口 そうですね。


●富士山を神聖視する家康や庶民にとってうってつけだった駿河町


―― その町人地の話でございますが、この『江戸名所図会』で見るのはどこのシーンでしょうか。

堀口 駿河町という町を見ていきたいと思います。こちらは日本橋からほど近い駿河町という町なのですけれども。この通りから江戸城越しに駿河国の富士山が見えるということが名前の由来です。

―― これは印象深い絵ですよね。ど真ん中に富士山が見えます。確かに、今の東京からでも少し高いところに登るとこのくらいの雰囲気で富士山は見えますよね。

堀口 けっこう見えますよね。

―― 縮尺的には、案外ずれていないのかなという感じもします。

堀口 おそらく、このように道の正面に堂々と見えたのでしょうね。本当に、これを測ると富士山の正面と道の直線が1度くらいしかずれがないそうです。

―― なるほど。

堀口 駿河国、富士山というのはすごく江戸の都市設計に重要な意味をもっていたのです。というのも、徳川家康公は慶長8年(1603年)に将軍になって、わずか2年2カ月ほどで将軍職を2代将軍の秀忠に譲ります。それ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
近年の研究で変わってきた織田信長の実像
柴裕之
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(1)「無任所大臣」が生まれた経緯
現代の「担当大臣」の是非は戦前の「無任所大臣」でわかる
片山杜秀
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(1)なぜ日本人は突入できたのか?
福島第一原発事故…日本の危機と闘った吉田昌郎と現場の人々
門田隆将
イスラエルの歴史、民族の離散と迫害(1)前編
古代イスラエルの歴史…メサイア信仰とユダヤ人の離散
島田晴雄
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一

人気の講義ランキングTOP10
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(7)日本の倫理こそ未来の理想
他人の幸福実現に喜びを見出す日本の道徳こそ未来の理想だ
賴住光子
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(1)米を食べる日本人と『分裂病と人類』
日本人の生きづらさの特徴は?~中井久夫著『分裂病と人類』
與那覇潤
おもしろき『法華経』の世界(1)法華経はSFだ!
法華経はSFだ!…心を元気にしてくれる法華経入門
鎌田東二
【入門】日本仏教の名僧・名著~親鸞編(2)『唯信鈔文意』と方便法身
阿弥陀仏は無限の光だ…親鸞の『唯信鈔文意』の教えとは?
賴住光子
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(4)「適用拡大」で貧困老人をなくす
日本の転勤はおかしい…非人間的な制度の最たるものだ
出口治明
生活習慣病予防に~健診結果の正しい読み方(1)データから生活習慣を考える
内臓脂肪がなぜ増えた?データから考えるリスクファクター
野口緑
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎