●ペルシア戦争に絡んでいたギリシャとイラン
皆さん、こんにちは。
紀元前499年以降、ペルシア戦争が、当時のアケメネス朝ペルシアとギリシャのポリス国家との間に繰り広げられたことは、高校の世界史でも馴染みが深いテーマであります。しかし、このペルシア戦争には、現代の国際危機の当事者である三つの主体と地域が絡んでいたことは、あまり知られていません。戦争の発端は、古代のイラン、すなわちアケメネス朝ペルシアの国王ダレイオスが、現在のウクライナに当たる地域に遠征を企てて、ドナウ川をはるかに越えて大遠征を行ったことにさかのぼります。しかし、そこで彼は非常に苦しい経験をすることによって、ギリシャやイランには、一時行方不明になったという誤報が伝えられます。
いずれにしましても、ヨーロッパの併合を企て一時行方不明も伝えられた、こうした苦難あふれる遠征の機会を利用して、当時アジアの最西端にあった小アジア、すなわち、今のトルコの西端にあったイオニア地方のギリシャ人たちが反乱を起こしました。これがペルシア戦争の発端になったわけであります。
●現代ギリシャはうそと借金にまみれている
最近のギリシャの債務問題と、イランの核協議に関する最終合意を見るにつけて、古代ギリシャの歴史家ヘロドトスの言葉を思い出す人も多いでしょう。私がヘロドトスの言葉で非常に感心するのは、古代イラン人が述べたという次のような箴言(しんげん)です。それは、「最も恥ずべき行為の第一はうそをつくことで、第二は借金をすること」という言葉で、そのように古代のイラン人は考えていたというのです。
ですから、現代のイランの商人や取引する人たちも、「俺たちはうそをつかないのだ。古代からそう言われているではないか」と言って、胸を張るそうです。しかも、「戦争をした相手国のギリシャの歴史家が言っているのだから、間違いないだろう」と言って、したたかな商才ぶりを発揮したりするというのです。
それはさておき、『モラリア』の作者、ギリシャのプルタルコスに言わせると、順番は逆になっていまして、第一が借金をすることであり、第二がうそをつくことだというのです。いずれにしましても、借金をした者はどうしてもうそをつくということで、現代人も拳拳服膺(けんけんふくよう)しなければいけない真理がそこには含まれているのです。
翻っ...