戦後レジームとは何か~IMF、自民党、リベラル
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「戦後レジーム」は日本のことではなく世界の話である
戦後レジームとは何か~IMF、自民党、リベラル(1)いまだ存続するIMF
曽根泰教(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
戦後の国際金融のシステムや手続きを決定したブレトンウッズ会議で発足したIMF(国際通貨基金)。それもまた「戦後レジーム」の一つだということは、あまり認識されていない。安倍首相は「戦後レジームからの脱却」というが、では「戦後レジーム」とは何なのか? 政治学者で慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授・曽根泰教氏がさまざまな角度から戦後レジームについて考察するシリーズ・第1回。(全3話中第1話)
時間:10分16秒
収録日:2015年12月3日
追加日:2016年1月4日
カテゴリー:
≪全文≫

●IMFという戦後レジーム


 「戦後レジーム」という言葉があります。日本の安倍晋三首相がよく「戦後レジームからの脱却」という言葉を使うので、一般的に日本のことだと思っている人が多いと思いますが、そうではありません。世界の歴史における戦後レジームというと、一つにヤルタ会談がありますが、これはすぐに冷戦に直面して、ヤルタ体制が持続したとは思えません。戦後のレジーム(体制)で、今でもまだあるということで言うと、ブレトンウッズ体制です。ブレトンウッズ体制自体はもうすでに崩壊していますが、ブレトンウッズ協定でできたIMF(国際通貨基金)という世界の金融システムを決めるレジームが今でも存在しているという意味で、一体、戦後レジームとは何なのかを考える一つの材料にしていいのではないかと思います。

 最近、IMFが人民元を決済通貨に加えました。つまり、SDR(特別引出権)を構成する通貨に人民元を加えたのです。アメリカドル、ユーロ、イギリスポンド、それから、人民元、日本円。人民元が入っただけではなく、日本円よりも構成比率が上にきているのです。ここに着目して、日本はどうなのか、あるいは中国の世界への影響を議論する切り口もありますが、今日は、「戦後レジーム」の方のお話をします。


●戦争の反省から金本位制・固定相場制に


 まだ戦争が終わっていない1944年7月に、アメリカ・ニューハンプシャー州ブレトンウッズにあるマウント・ワシントン・ホテル(Mount Washington Hotel)に、44カ国から730人の代表が集まり、戦後の国際経済の仕組みを議論しました。これが「ブレトンウッズ会議」(連合国国際通貨金融会議)です。このブレトンウッズのマウント・ワシントン・ホテルとはどんな所かと思い、ボストンから見に行ったことがありますが、2時間以上かかったように思います。避暑地です。確かゴルフ場などもあったような記憶があります。

 ここに集まって、国際金融のシステム、ルール、制度、手続きを決めました。国際通貨基金(IMF)、国際復興開発銀行(IBRD)などもここでつくったということで、まさしく戦後のシステムを議論しました。戦争の間に議論しています。誰がしたのかというと、イギリスからはジョン・メイナード・ケインズ、アメリカはハリー・ホワイトが来ました。ホワイトは、アメリカ国内で 、...

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