戦後レジームとは何か~IMF、自民党、リベラル
この講義シリーズの第1話は
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
自民党結党60年を経済成長の観点から総括する
戦後レジームとは何か~IMF、自民党、リベラル(2)結党60年・自民党の経済政策
曽根泰教(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
2015年で結党60年を迎えた自民党は、戦後日本の経済成長の推進者だったのか? いや、むしろ便乗者だったのか? 焼け跡からの復興から、所得倍増計画、ホンダやヤマト運輸の躍進、オイルショックから法人税減税の問題点まで、戦後経済の構造をダイナミックに読み解き、ニワトリとタマゴのあとさきを問う。政治学者で慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授・曽根泰教氏がさまざまな角度から戦後レジームについて考察するシリーズ・第2回。(全3話中第2話)
時間:16分51秒
収録日:2015年12月3日
追加日:2016年1月11日
カテゴリー:
≪全文≫

●「戦後レジームからの脱却」のナゾ


 今年は自民党結党から60年に当たるということで、55年体制が出来上がり、崩壊し、復活し、一強多弱と言われるようになっていますが、これは一体何なのか。さまざまな人が、マスコミや新聞・テレビなどで自民党60年の総括をしています。私も新聞などでインタビューを受けたことがあります。総じて、軽武装、経済中心、日米同盟などということが、ひとくくりにして表現できることでしょう。また、保守をベースに、特に地元に手厚く後援会をつくって支持基盤を広げる手法も、戦後発達したものと言えるでしょう。

 安倍晋三首相をはじめ、よく「戦後レジーム」という言い方がなされます。しかし、戦後レジームとは何なのか。これを明確に定義しなければなりません。戦後レジームといっても、今年は戦後70年で、自民党結党60年ですから、ほとんどの期間を自民党が支配しているわけです。「戦後レジームからの脱却」が、「この自民党支配を脱却する」という意味であれば普通です。ところが、戦後レジーム批判の人は、おそらく第二次世界大戦が終結した1945年から、サンフランシスコ講和条約締結の1952年までの占領期を批判しています。この間にあった戦後レジームというと、ヤルタ会談もあり、ポツダム宣言もあり、極東裁判があり、憲法制定があり、占領軍統治があり、指導者追放があり、重化学工業が禁止されたり、検閲があったりといったような、これをひっくるめて批判をしたいのだろうと思います。

 しかし、よく考えてみると、戦後70年のうちの60年間を、何らかの形で自民党が支配しているのです。細川政権時代と民主党政権時代、2度の政権を担当しない時期を除くと、ほとんどが自民党支配でした。これを反省して戦後レジームからの脱却と言うなら分かりますが、占領期の7年間、あるいは6年間をいまだに引きずって「結党の精神に戻れ」と言うと、それはつまり、1955年に戻ってしまうわけです。1955年に戻るとはどういうことか。60年前に歴史を戻せということなのかと、疑問が湧きます。


●政治体制の話は経済システムの話でもある


 ただ、今日はそういう角度からではなく、また別の問題提起をしたいと思います。それは、敗戦から講和条約締結までの間が気に入らないとしたら、日本がもし戦争に勝ち、そのまま戦前の体制が戦後に続いていったら...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(3)孤食リスクと加齢に伴うホルモン変化
「孤食」が危ない…独身男性の一人の食事はうつのリスク2倍以上に
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
ヒトの性差とジェンダー論(1)「性」とは何か
MLBのスーパースターも一代限り…生物学から迫る性の実態
長谷川眞理子
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(3)組織のバランスが崩れる日
豊臣秀吉が暴君になるほど影響が大きかった弟・秀長の死
小和田哲男