藤森義明のGE流経営論
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「人を育て、変革せよ」ジャック・ウェルチのリーダー論
藤森義明のGE流経営論(1)GEからLIXILへ
藤森義明(株式会社LIXILグループ 元 取締役 代表執行役社長 兼 CEO /日本オラクル株式会社 取締役会長)
「ビジネス界のメジャーリーグはアメリカだ」――株式会社LIXILグループ取締役代表執行役社長兼CEO・藤森義明氏はそのように表現する。ヒエラルキーのある日本の社会とは異なるグローバル企業のダイナミクスさと可能性について、藤森氏がGE(ゼネラル・エレクトリック)時代の経験を通して語る。(全4話中第1話目)
時間:12分22秒
収録日:2015年12月16日
追加日:2016年3月14日
≪全文≫

●大きな権限を得たかったから、アメリカへ


藤森 アメリカの会社で働くことは、日本企業のアメリカ法人に勤めることとは大きく違うと思います。もともと私が、なぜGEのような企業に入りたかったかというと、日本の会社にいた時、同年代の人たちがよくアメリカの会社からやって来たのですが、彼らの姿を見て、うらやましいと思ったからです。彼らは大きな権限と責任を持ち、1人か2人で交渉しに来るのです。対する日本の会社はといえば、部長、次長、課長、係長がいて、MBAから帰ってきた私が一番下にいました。日本のようなヒエラルキー、格付けがある社会は、どうしてもアメリカ社会に比べてダイナミクスさに欠けるところがある。自分も大きな権限を与えられたい。それならグローバルな会社で働くしかないのではないかと思ったのです。

 実際、その通りでした。アメリカの会社は、潜在力のある人に若い時から大きな権限と責任を与える仕組みがある。そこが日本と大きく違います。私が最初にGEで与えられた大きな仕事は、GEの医療機器部門のうち、五つに分かれたセクションの一つのCEOです。その当時、GEには11部門ありましたが、医療機器部門は重要なところでした。その中の一セクションのCEOの椅子を、思いきりよく30代の日本人に対して与えるわけです。これがアメリカの会社、グローバルカンパニーのダイナミクスさだと思いました。

―― 藤森さんがGEに入られて5年ほどたった頃というのは、GEが変わろうとしていた時期ですよね。

藤森 その通りです。私が働き始めた当時、GEの売上の80パーセントほどがアメリカで、アメリカ以外が20パーセントでした。現在は逆転していて、海外が60パーセント、アメリカが40パーセントくらいになっています。その頃は、ちょうどGEやアメリカ企業が、さらなる成長のため、グローバルにどんどん出て行こうとしていた時期でした。1990年代の初め、グローバリゼーションが始まりかけていたのです。

―― アメリカ企業の強さはその回復力にあると思います。1980年代、日本に押し込まれて危機感を持ち、90年代にぐっと回復していく強さが、日本とは全然違います。

藤森 人を育てることと、変革できるところがアメリカ企業の特徴でしょう。外界の条件が変われば、自分たちも変わることができる。リーダーとは何かといえば、変革を起こす...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳
プロティアン~最先端の自律的キャリア形成(1)変幻自在のキャリア論
なぜ第二の人生のためにキャリアの棚卸しが必要か~組織から自律へ
田中研之輔
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(3)秀吉出世譚の背景
武闘派・秀吉として出世…織田家中で一番の武略者の道
黒田基樹
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎
編集部ラジオ2025(32)哲学者たちが考えた平和追求
反EU、反国連の時代に再考!「哲学者たちの平和追求」
テンミニッツ・アカデミー編集部
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――自分にあった「理想的睡眠」の見つけ方
西野精治
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
平和の追求~哲学者たちの構想(6)EU批判とアメリカの現状
理想を具現化した国連やEUへの批判がなぜ高まっているのか
川出良枝
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(2)バイアスの正体と情報の抑制
『100万回死んだねこ』って…!?記憶の限界とバイアスの役割
今井むつみ