人工知能のディープな可能性
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
人工知能の普及は新たな倫理問題を生み出す
人工知能のディープな可能性(4)人工知能との共生
松尾豊(東京大学大学院工学系研究科 人工物工学研究センター/技術経営戦略学専攻長 教授)
人工知能研究がもたらした変化の本質は、特徴を「認識」できることだ。何が重要かを知ることができる人工知能は、産業のあり方を変え、今まで想定されなかった権利や制度の問題を顕在化させるだろう。到来しつつある未来に向けて、日本社会はどう動いていくべきか。また、権利や倫理問題をどう解決していくか。東京大学大学院工学系研究科准教授・松尾豊氏による最終講話。(全4話中第4話)
時間:8分56秒
収録日:2016年1月15日
追加日:2016年5月16日
≪全文≫

●「機械では認識できないから人がやっている」ことも自動化されていく


 変化の本質は何か。現在の世の中には、画像認識ができないから人間がやっている仕事がたくさんあります。これが自動化できるということです。コストで言うと、人間が監視する場合に比べて、このイメージセンサーと人工知能を使えば、おそらく100分の1以下になる。ということは、相当たくさんのものを見張ることができるようになります。例えば河川の水量がどうなっているか、土砂崩れしそうか。あるいは、山が噴火しそうかどうか、などです。こういう対象をずっと見張っているのは、従来ならばコストから考えて難しかったわけですが、それが可能になってくるということです。

 さらに運動の習熟についてです。われわれは、機械には機械的な動きしかできないと思い込んでいますし、ロボットにはロボット的な動きしかできないと思い込んでいます。まさに「機械的」とか「ロボット的」という言葉が、それを表してしまっているわけです。しかしそうではなく、今後は機械も習熟するし、ロボットも上達していきます。そうなると、何がどう変わってくるのか。農業、建設、食品加工の分野は大きく変わると思います。例えば日常生活の中で、なぜ人が掃除をしないといけないのか。部屋の形は一つ一つ状況が違いますし、散らかり方も毎回違いますので、やはり「認識」をしない限りは、上手く掃除をすることはできなかった。だから、今まで機械化できなかったのです。

 同じように、なぜコピーを取ってもらうことを人に頼まないといけないのか。それは、コピー機の位置が一つ一つオフィスによって違いますし、紙の大きさも違うので、そういった「状況」をきちんと「認識」しないと上手くできなかった。ところが、今後はそれができるようになるのだと考えると、ここに非常に巨大なマーケットが生まれるのではないかと、私は思います。

 まさにSF的な社会ですが、今まで説明したような人工知能ロボットが、人々の生活や仕事の中にどんどん組み込まれていくような社会になっていくのではないかと思います。そのときに、私は、日本の国や日本企業のあり方から考えると、「子どもの人工知能」――ものづくり、ロボット、機械、こういった辺りから攻めれば、非常にチャンスが大きいのではないかと、私は思っています。


●人工知能が社会に浸透すれば、権利や制...


スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
火山の仕組みを知る(1)火山の世界的分布と噴火の仕組み
火山噴火が起こるメカニズムと日本の火山の特徴
藤井敏嗣
Beyond5G・6Gで進む情報通信の民主化(1)情報通信の民主化と「協創」
6Gの研究開発を推進する情報通信の民主化
中尾彰宏
知能と進化(1)知性と身体性
AI、ディープラーニングとは…知能と身体性は不可分か?
長谷川眞理子
レアメタルの光と影(1)イントロ
イノベーションがレアメタルをコモンメタルにする
岡部徹
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
社会はAIでいかに読み解けるのか(1)経済学理論の役割
AIやディープラーニングによって社会分析の方法が変わる
柳川範之

人気の講義ランキングTOP10
資本主義の再定義…哲学で考える(4)共感としての見えざる手
利とは、義の和である…なぜ道徳的なふるまいが企業活動に重要か
中島隆博
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(1)軍人の本義を貫いた根本博中将
ソ連軍から在留日本人4万人を守れ…内蒙古での「戦後」の激闘
門田隆将
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
戦前派一日本人の憂鬱~太平洋戦争と敗戦後を顧みて…(1)
『きけわだつみのこえ』を読むと今でも涙が止まらない
野田一夫
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(1)なぜ『神国日本』なのか?
ラフカディオ・ハーンが解明した「美しい日本」の秘密と未来
賴住光子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
編集部ラジオ2026(26)お盆とあの世を考える
【10min解説】特集で考える《お盆とあの世》の本質
テンミニッツ・アカデミー編集部
組織心理学とは何か~『武器としての組織心理学』と概論
なぜ組織に「心理学」が必要か?多様化と個の時代の処方箋
山浦一保