水ビジネスの動向
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「砂漠化」は世界で進行しているのか?
水ビジネスの動向(5)沖大幹が水の疑問に答える
沖大幹(東京大学大学院工学系研究科 教授)
海水淡水化で水不足は解消する? 東京の地下水は高い利用可能性があるのでは? 世界で砂漠化は進行しているのか? 東京大学生産技術研究所教授・沖大幹氏が、水利用や環境問題に関するさまざまな講演出席者の疑問に答える。(2015年5月25日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「水ビジネスとグローバルリスクマネジメント」より、全5話中最終話)
時間:16分11秒
収録日:2015年5月25日
追加日:2016年6月2日
≪全文≫

●海水淡水化技術で水不足は十分解消するのではないか


参加者 私は、『Dr.コトー』で少し名が売れた、甑島という東シナ海の島で育ったので、周りはもう海しかないのです。この海の水を真水に変えるなどの技術とは、コストが高いのでしょうか。こういうことが普通にできたら、もう水のない世界の人も助かりそうだと、昔から思っていたのですが。

沖 先ほどの海水淡水化というのがそれです。昔はボイラーで燃やすのですね。ボイラーを燃やすと水だけ蒸発して、それを冷やしたときにできる真水を取っていました。しかし、これですと、下手をするとそれこそ1立方メートル当たり1000円ぐらいかかっていたのです。

 それが、今は圧力と電気代が必要になりますが、逆浸透膜を使って、いろいろエネルギー回収などの工夫をして、世界最新の技術で大規模にやれば、1立方メートル当たり100~120円ぐらいでできます。それで十分、水が必要なところには入れられる状況になっています。

 もっとびっくりするのは、農業用水です。飲み水用、水道水用はそれ(逆浸透膜)で良いだろうけれど、農業用水は無理だろうと思っていたのですが、スペインに行くと補助金が大量に入っていることもありますけども、その海水淡水化した水で園芸農業やっているのですね。単価はいくらか聞いたら、農家が払っているのは0.5ユーロぐらいですから、70~80円です。それを払っても、ペイするような農業が可能です。もちろんじゃーっと撒くのではなく、休閑灌漑ではなくて、スプリンクラーで根元のところに点滴するような、そういう高度な灌漑をするわけなのですが、そういうものと組み合わせれば、農業すら海水淡水化の水でできます。

 実際に日本も、離島には小さな淡水化施設がいろいろな所で入っています。そういうところは、単価は高いのですが、国からいろいろ補助をしたりしてやっています。老朽化などの問題がありますので維持は必要ですが、十分にできています。


●東京都の地下水には大きな可能性があるのではないか


参加者 地下水を取ることを制限していた東京でも、最近は地下水が溢れてきて、地下鉄まで浮き上がって、適度に取らなければいけないと聞きます。また、地下水は、大体10メートルから100メートルぐらいの深さまでは水温が15度ぐらいで、冷暖房としての使用にとって、ものすごい可能性がある...

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