水と地球と人間と~日本と世界の水問題
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
日本での小水力発電の可能性
水と地球と人間と~日本と世界の水問題(6)小水力発電の可能性
沖大幹(東京大学大学院工学系研究科 教授)
小水力発電は、日本というよりはむしろ、アジアにとって大きな価値と可能性を秘めているという。いったいどのような可能性があるのか。地球規模の水循環と世界の水資源に関する研究の第一人者である東京大学生産技術研究所教授・沖大幹氏の語る「シリーズ・水と地球と人間と」第6回。
時間:8分38秒
収録日:2015年3月19日
追加日:2016年4月14日
≪全文≫

●日本では小水力発電の大規模展開は難しい


―― 再生可能エネルギーには、太陽光発電、バイオ発電、地熱発電、風力発電など、いろいろな種類があります。その中の一つ、小水力発電について考えてみたいのですが、日本は農業土木予算の65パーセントを使って農業用水路を全国的に造り上げてきました。その用水路に、落差がなくても発電できるモーターと管理システムさえ設置すれば、ただ流れている水からいくらでも電気が取れるようになるともいわれています。そこで先生に、日本での小水力発電の可能性についてお聞かせ願えればと思います。

沖 日本での可能性は、発電量としてはそれほどないのではないでしょうか。ただ、人は経済のためだけに生きているわけではありません。自分たちが使うエネルギーが目の前でつくられる満足感は大きいものです。人口密度の低い集落、あるいは複数世帯の電力を賄えるくらいの小水力発電の普及は、地域コミュニティーの満足感を高める意味では、とても価値のあることではないかと私は思います。

 農業用水路は何よりも水量が一定しており、確保された水の勢いを使うということですから、ある意味では未使用エネルギーの利用にもなるでしょう。ただ、都会での普及は無理です。小水力発電所には、農業用水路を使うものからきちんと落差を設けたものまでありますが、それなりの仕掛けをしても、せいぜい数千世帯分の電力しかつくれませんから、大規模な展開はなかなか難しいといわざるを得ません。

●小水力発電はアジアでの可能性が大きい


沖 小水力発電は、むしろ海外で、今まで電灯もなかったような土地での分散型エネルギーとして大きな可能性があります。それによって、国の底力が上がってくるのではないかと思います。

―― 国内というよりもモンスーン気候のアジアなどで、無限の可能性があるということですね。

沖 そうです。そして、アジア諸国などに小水力発電を普及させていくためには、本当にモジュール化されたパッケージ、極端にいえば、設置した瞬間から使える電源として売り込んでいける仕組みをつくることが大事だと思います。

―― すぐに系統接続できるモデルをつくるのですね。

沖 同時に、そのコミュニティーが自分たちでメンテナンスしていける仕組みを用意する必要もあるでしょう。物は必ず壊れますから、その維持管理のために、日本の技術者を各地域...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
Beyond5G・6Gで進む情報通信の民主化(1)情報通信の民主化と「協創」
6Gの研究開発を推進する情報通信の民主化
中尾彰宏
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎
火山の仕組みを知る(1)火山の世界的分布と噴火の仕組み
火山噴火が起こるメカニズムと日本の火山の特徴
藤井敏嗣
知能と進化(1)知性と身体性
AI、ディープラーニングとは…知能と身体性は不可分か?
長谷川眞理子
レアメタルの光と影(1)イントロ
イノベーションがレアメタルをコモンメタルにする
岡部徹

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(13)心の「柔軟性」を高めるヒント
【10minでわかる】心の「柔軟性」を高めるヒント
テンミニッツ・アカデミー編集部
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(3)救った人数とゴールデンブックの謎
樋口季一郎のユダヤ難民救出数は?ゴールデンブックの謎は?
門田隆将
「逆・タイムマシン経営論」で磨く経営センス(1)人口問題の本質
「逆・タイムマシン経営論」は本質を見抜くための方法論
楠木建
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
生き抜くためのチカラ~為末メソッドに迫る(4)人生の勝敗を考える
幸せの鍵「なにげなさ」とは何のことか
為末大
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
不便益システムデザインの魅力と可能性(1)「便利・不便」「益・害」の関係
「不便益」とは何か――便利の弊害、不便の安心
川上浩司
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎