水ビジネスの動向
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
水リスク管理は国ではなく私的設置の基準が席巻しつつある
水ビジネスの動向(3)水リスクマネジメントの現況
沖大幹(東京大学大学院工学系研究科 教授)
東京大学生産技術研究所教授・沖大幹氏が、注目される水ビジネスの最新動向を論じる。まずインフラ輸出の難しさだ。社会的価値が高いインフラの整備は、ビジネスとして見ると撤退しにくさや事業展開の面で、他の業種と異なる。また水リスクの推計手法やマネジメント基準も次々に生まれており、標準化が進みつつあるのが現状だ。(2015年5月25日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「水ビジネスとグローバルリスクマネジメント」より、全5話中第3話目)
時間:13分42秒
収録日:2015年5月25日
追加日:2016年5月19日
≪全文≫

●そもそも「インフラ」とは何か


沖 少し時間が足りないので飛ばしますが、インフラについてです。私は土木、インフラ工学が専門なのですが、「インフラ」と略すと実は意味がありません。「インフラ・レッド」というのは、赤外線のことですね。これは、周波数が低すぎて目に見えない。また、辞書引きますと「インフラ・サウンド」という言葉があります。これも周波数が低すぎて耳に聞こえない。では、「インフラストラクチャー」ですが、一般的に新聞で「インフラ」というと、インフラストラクチャー、社会基盤です。これは、下にありすぎて知覚できないものなのですね。それは、想定通り機能して当たり前ですし、何か問題があったときだけ非難されるのです。

 私の大学卒業は30年ぐらい前ですが、インフラそのものは見えませんから、当然花形ではなく、当時は電気や通信が花形でした。同級生に当時、「お前どこに行くの?」と聞いたら「ドコモという会社に行くよ」と言われ、「何それ?」と聞いたら、「携帯電話をやっている」と。「携帯電話って何?」というような時代でした。その後、ドコモは急成長を遂げましたが。

 携帯電話も、最初は皆さん、たぶん新しい携帯電話が出るとうれしくて買い替えたり、あるいはメールが通じたり、写真が撮れたりしたらうれしいですよね。だんだんそれが当たり前になって、今はメールを送ったよと言われて10秒以内に届かないと、「あれ?」と思いますでしょう。昔は、3日たっても届かないメールがあったのです。そこは、まさに電気通信もインフラになったということで、僕は個人的に思っていますけども。

 もう一つ大事なのが、インフラは撤退がなかなか難しいということです。鉄道を考えてもらうのが分かりやすいのですが、いま路線がある所を無くそうとすると、必ず地元自治体から反対が出ますね。極端なことを言えば、今まで特急が止まっていたのに、止まらなくしようというだけで、ものすごく反対が出ますね。インフラというのは、それだけで社会的な価値やポジションがあるので、上手くいかなかったから簡単に撤退というのが道義的には許されない。もちろん国際的には、海外に行って契約書の通りだからといってやめるのですが、日本の企業はあまりその辺が得意ではなく、ついいろいろサービスをしてしまいたくなるのです。


●水インフラの輸出で陥りやすい思考


沖 も...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹
断熱から考える一年中快適で健康な住環境(1)日本の住宅の実態と問題点
なぜ日本は夏暑く、冬寒いのか…断熱から考える住宅の問題
前真之

人気の講義ランキングTOP10
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
逆境に対峙する哲学(5)阿頼耶識・大慈大悲・大智
大慈大悲の教え――なぜ仏像は怖い顔をしているのか
津崎良典
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(2)失敗の本質
『失敗の本質』初版から30年…同じ失敗を繰り返す日本組織
三谷宏治
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
『源氏物語』ともののあはれ(1)雅な『源氏物語』の再発見
『源氏物語』の謎…なぜ藤壺とのスキャンダルが話のコアに?
板東洋介
編集部ラジオ2025(33)2025年を振り返る
2025年のテンミニッツ・アカデミーを振り返る
テンミニッツ・アカデミー編集部
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(2)機械学習と大規模言語モデル
常識を初めて知った!?生成AIの大規模言語モデルとは
岡野原大輔
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦