自律型海中ロボット~深海に切り込む
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
メキシコ湾原油流出事故でも活躍した海中ロボットたち
自律型海中ロボット~深海に切り込む(5)活躍するROV
浦環(東京大学名誉教授/株式会社ディープ・リッジ・テク代表取締役)
人からロボットへ、海中探査の主役はすでに交替している。海底油田の開発にも事故処理にも、人の届かない場所で遠隔操縦機が実績を重ねているのだ。しかし、超深海の探査には無人であってもなお危険が伴う。海中ロボットの現在の状況を、自律型海中ロボットの権威である九州工業大学ロボット具現化センター長・浦環氏にうかがう。(全5話中最終話)
時間:10分57秒
収録日:2016年1月12日
追加日:2016年6月20日
≪全文≫

●海底石油開発に活躍する「遠隔操縦機」


 1970年代に入ると、オイルショックのために石油の値段が高くなり、海底石油を開発しても採算が合うようになりました。海底石油を開発するには海底に行かなければなりませんが、当初、浅い場合にはダイバーが行っていました。しかし、だんだん深くなってくるとダイバー(環境圧潜水)では行けません。

 そこで3人乗りや2人乗りの小型有人潜水船で、いろいろな作業をしていました。しかし、それではお金がかかるし、危険性も高い。「遠隔操縦のロボットをつくろう」という機運が出てきました。1980年代になると、海底石油開発は有人潜水船に代わって、このような遠隔操縦機で行われるようになってきました。

 右上の写真は、1960年にアメリカの海軍が開発した遠隔操縦機です。この遠隔操縦機は、地中海に墜落したアメリカの航空機から水爆を拾い上げてくるという手柄を立てています。

 左上は、日本が1980年代につくった「DOLPHIN(ドルフィン)‐3K」、中央の下はアメリカのウッズホール海洋研究所が使っている「JASON(ジェイソン)」です。DOLPHINは引退しましたが、JASONはいま使われているものです。

 左下にあるのは、最近よく使われている大型の遠隔操縦機です。こうした大型の遠隔操縦機は、海洋開発のために使われています。

 最後に右下の写真は、アメリカが30年ほど前につくった「SCORPIO(スコーピオ)」です。なぜここに写真を載せたかというと、後で出てくる「えひめ丸」を引き揚げるのに使われたからです。えひめ丸は、ハワイ沖で潜水艦にぶつかって沈没した船ですが、その話は次の機会に譲りたいと思います。


●ROVを一躍有名にしたメキシコ湾の原油流出事故


 遠隔操縦機(ROV)の活躍ぶりが一般の人たちの間で一躍有名になったのは、2010年にメキシコ湾で起こった「ディープウォーター・ホライゾン」という事故以来です。

 ここはBP(ブリティッシュ・ペトロリアム)社が持っている油田で、1500メートルの海底で石油を掘っていました。不手際があったために原油を引き揚げるパイプが切れ、洋上設備が火事になってしまいました。火事は消し止めましたが、海底からの引き揚げパイプが折れたため、そこから原油が大量に流出し、メキシコ湾が大変な油汚染に遭いました。

...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
科学的思考はなぜ大切か(1)「状態図」という概念
科学的思考とは「なぜ?」を追究していくこと
岡部徹
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
レアメタルの光と影(1)イントロ
イノベーションがレアメタルをコモンメタルにする
岡部徹
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹
現在の宇宙の姿(1)星はなぜ自ら輝くのか
星はなぜ自ら輝くのか…宇宙と銀河の「現在の姿」を概観する
岡村定矩

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(3)孤食リスクと加齢に伴うホルモン変化
「孤食」が危ない…独身男性の一人の食事はうつのリスク2倍以上に
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
納富信留
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
西洋文明の起源から見るグローバル化(1)グローバル化
古典を学び、教養ある人間を目指すことがヨーロッパの理想
納富信留
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高