自律型海中ロボットは何を目指すか
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
海底で働く自律型海中ロボットの作業をスライド解説!
自律型海中ロボットは何を目指すか(3)海に眠る鉱物資源
浦環(東京大学名誉教授/株式会社ディープ・リッジ・テク代表取締役)
近年、日本周辺には海底鉱物資源が豊富にあることが分かってきた。海中ロボットの研究を進める九州工業大学社会ロボット具現化センター長・浦環氏は、日本は地の利を生かして新技術開発を率先して行うべきだ、と主張する。ハードルが高いからこそやりがいのあるその技術開発の一端を伺う。(全4話中第3話)
時間:13分21秒
収録日:2016年1月12日
追加日:2016年7月13日
≪全文≫

●有望資源コバルトリッチクラストの弱点


 次は、コバルトリッチクラストです。マンガン団塊は団子のようになっているのですが、コバルトリッチクラストは、平頂海山という海山の中で平らな山頂になっているところにアスファルトのようにベターッと覆っているというように理解していただければいいかと思います。ですから、その性質、含有している金属、レアメタルとかレアアース、それはマンガン団塊と同じようなものがあります。

 これは、白金の資源として非常に期待されているところがあるのです。しかし、研究は進んでいません。あとで申し上げる熱水鉱床と違って、ここは死の砂漠のようなものです。つまり、飛行場のようなところを研究しても、あまり面白くない。熱水鉱床は温泉地帯ですから、ここへ行くといろいろな面白いことや、アクティブなことがあって楽しい。ですから、科学者たちは、熱水鉱床には行きます。熱水鉱床という言い方はちょっとまずいかもしれません。熱水地帯と言ってもいいかもしれませんが。そこに行って研究をしています。しかし、この死の世界のような、あるいは飛行場の滑走路のようなコバルトリッチクラスト地帯には、あまり研究者がいないということが事実です。しかしながら、鉱物資源としては非常に期待されています。


●知りたいのは厚さ-計測の新技術を開発


 これはそのサンプルの断面ですが、ここにアスファルトのようなものが見えていますね。10センチぐらいの厚さの黒いものがあります。これがコバルトリッチクラストです。下は母岩ですね。このコバルトリッチクラストがどのくらいの厚さかということが、とても重要です。それが鉱物資源の埋蔵量を決めますから。

 しかし、この厚さを調査するのは、なかなか難しいのです。具体的には、ドリルで穴を空けてこの厚さを測るという、力学的なやり方でしかなかなかできませんでした。そこで、われわれが何をしていたかというと、実はこれに関していろいろな研究をしてるいるのですが、音波を上から出すと、この表面で反射する音と、この中間、母岩とコバルトリッチクラストの間で反射する音が返ってきますね。そうすると、この厚さ分だけ時間差ができます。その時間差を測って、なんとかこの厚さを非接触で測るのです。皆さん方がお腹をグリグリ超音波でやると、結石がたまっているのが分かったりしますが、あれと同じような原...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
IoTとは何か~モノのインターネットの本質(1)TRONは究極の「縁の下の力持ち」
坂村教授が開発したTRON―知られざる世界標準
坂村健
知性の進化と科学技術文明の未来(1)ヒトは本当に賢いか
なぜ人類は進化できたか?…5つの環境要因と脳の発達
長谷川眞理子
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹
社会はAIでいかに読み解けるのか(1)経済学理論の役割
AIやディープラーニングによって社会分析の方法が変わる
柳川範之

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(3)孤食リスクと加齢に伴うホルモン変化
「孤食」が危ない…独身男性の一人の食事はうつのリスク2倍以上に
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
納富信留
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
西洋文明の起源から見るグローバル化(1)グローバル化
古典を学び、教養ある人間を目指すことがヨーロッパの理想
納富信留
キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(2)どうすれば好循環が生まれるか
「お客様のため」に心が向かうとイノベーションも起きる
田村潤