キリスト教とは何か~愛と赦しといのち
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キリスト教では、神への愛と隣人愛は等しいものである
キリスト教とは何か~愛と赦しといのち(4)「隣人愛」とはどういうことか
竹内修一(上智大学神学部教授/カトリック司祭(イエズス会))
「隣人愛」は、キリスト教を知る上での重要なキーワードだ。これについて、イエスは何と言っているか。上智大学神学部教授・竹内修一氏はここで、イエスとファリサイ派律法学者の問答を紹介する。エリート学者の挑発的な問いかけに、イエスは何と答えたのか。またそれを、私たちはどのように理解すべきか。竹内氏が解説する。(全6話中第4話)
時間:10分44秒
収録日:2016年12月26日
追加日:2017年3月21日
カテゴリー:
≪全文≫

●パウロが語る、キリスト教の愛


 次に、先ほどから出てきているパウロという人物ついて触れたいと思います。彼は最初、キリスト教徒を迫害するリーダーでした。しかし彼は、ある時に劇的な体験をします。これを「パウロの回心」と言います。今は詳しく語りませんが、どういうことだったかと言うと、迫害していたイエス・キリストが復活した後、そのキリストと出会ってしまうというものです。このパウロの不思議な体験について、「使徒言行録」という書物の中には3回書かれています。

 これは彼が勝手に作った話なのではなく、消すことのできない根源的な体験であったということであり、この体験を通じて彼の回心が生まれます。「コンバージョン」が生まれるわけです。そのパウロがいろいろなところで愛について語ります。彼は繰り返し、信仰、希望、愛の重要性を説きます。そう説きながら、「愛こそがその中で最も大切なものであり、律法の完成である」、あるいは「あらゆる徳は、この愛のさまざまな具体的なかたちとして理解される」と語ります。

 有名な「コリント人への第一の手紙」13章は、よく「愛の讃歌」と言われますが、そこでは次のように記されています。

 「たとえ、山を動かすほどの完全な信仰を持っていようとも、愛がなければ、無に等しい。……愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。愛は決して滅びない」。

 たとえ山を動かすほどの大きな信仰があったとしても、もしそこに愛がなければ無に等しいと言い切ります。どんなに深い、あるいは強い信仰があったとしても、それが愛から出てこないならば、意味がない。こういうことを彼は大胆に語りました。


●愛とは、忍耐である


 私が読み上げたところで、パウロは愛のリスト、愛の定義を語ります。「コリント人への第一の手紙」が面白いなと思うのは、彼が「愛とは何々である」と最初に語るとき、「愛は忍耐強い」という言葉を使っていることです。英語に翻訳すると、love is patientとなります。「愛は忍耐だ」ということは、私たちが普段の生活の中で耳にしたり目にしたりする、ロマンチックなものだけではないことを示します。愛がロマンチックなものであるこ...

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