キリスト教とは何か~愛と赦しといのち
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
キリスト教の愛の種類「エロス・フィリア・アガペー」とは
キリスト教とは何か~愛と赦しといのち(6)聖書とはどんな書物なのか
竹内修一(上智大学神学部教授/カトリック司祭(イエズス会))
エロス、フィリア、アガペー。これはどれも、キリスト教で「愛」を示す言葉だ。上智大学神学部教授・竹内修一氏によれば、この意味の違う愛をめぐっては、イエスと弟子の間ですらもすれ違いがあった。しかし師イエスは、弟子を赦し、彼らに伝道を託した。たとえ相手が間違っていても、相手を赦す。これこそが、キリスト教の愛だ。(全6話中第6話)
時間:14分10秒
収録日:2016年12月26日
追加日:2017年4月4日
カテゴリー:
≪全文≫

●三つの異なる「愛」


 新約聖書を読んでいると、確かに日本語でいう「愛」という言葉が、翻訳として何回も出てきます。しかし正確には、主に三つの言葉が使い分けられています。厳密に分けられるというよりも、おおむねです。3種類あって、一つは「エロス」という言葉です。現代語でのエロチックにつながるものです。次が「フィリア」という言葉、もう一つが「アガペー」という言葉です。

 少し大ざっぱな言い方ですが、エロスとは人間が何かを求める動きです。自分の中にはまだ満たされていないものがあり、それを求めようとする欲求をエロスとして考えていいと思います。フィリアとは、よく哲学で「友愛」、友の愛と訳されます。イメージで言えば同等関係のようなものです。三つ目のアガペーは、先ほどのエロスとは向きが逆のものです。自分が何かを求める、自分のところに何かを持ってくるというよりも、自分が与えるということです。たとえ相手が何かをしてくれなくても、ひたすら自分が与える。これがアガペーであるという理解でいいと思います。新約聖書の中では、今述べたような意味で、エロス・フィリア・アガペーが区別されています。

 以前の講義で引用したヨハネの福音書13章34節の言葉、イエスが弟子たちに新しい掟を与えるところは、「あなたがたに新しい掟を与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。互いに愛し合うならば、それによってあなたがたがわたしの弟子であることを、皆が知るようになる」でした。ここで使われている「愛」はアガペーです。「究極的な愛」と言ってもいいアガペーです。ひたすら与える、「友のために命を捨てる、それ以上に大きな愛はない」というところがアガペーなわけです。


●イエスとペトロですれ違う「愛」


 さらに1箇所、面白いところがあります。イエスが復活した後、弟子のリーダーであったペトロと会話をしたところです。イエスが復活した後、弟子たちと食事をする場面のことです。

 「食事が終わると、イエスはシモン・ペトロに、『ヨハネの子シモン、この人たち以上にわたしを愛しているか』と言われた。ペトロが、『はい、主よ。わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存じです』と言うと、イエスは『わたしの子羊を飼いなさい』と言われた。2度目にイエスは言われた。『ヨハネの子シモン...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
キケロ『老年について』を読む(1)キケロの評価と「老年の心構え」
幸福な老年への智恵をキケロに学ぶ…惨めな老年の4つの理由とは
本村凌二
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎
プラトンの哲学を読む(1)対話篇という形式の哲学
ヨーロッパ哲学の伝統はプラトン哲学の脚注だ
納富信留
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
「教養」と「リベラルアーツ」の違いとテンミニッツ・アカデミー
教養とリベラルアーツの違い…一般教養からWhy、Howへ
曽根泰教

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(21)中西輝政先生:アメリカの本質
【10min解説】独立250年、アメリカの理念と本質とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(2)三大要素は「皇帝」「都市」「漢字」
中国皇帝の実像は都市ネットワークを握る「最大の資本家」だった
宮脇淳子
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
【入門】日本仏教の名僧・名著~源信編(1)末法思想と浄土信仰
末法直前に法華一乗思想と浄土信仰を両立した源信の教え
賴住光子
日本の財政の真実を検証する(2)なぜ財政危機は起きていないか
なぜ財政危機は起きていないのか…国債の金利のトリックを読み解く
宮本弘曉
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
老子の神髄(4)生成化育と突破力
生成化育――「自ずと然り」のメッセージと「突破する力」の歓喜
田口佳史
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎