キリスト教とは何か~愛と赦しといのち
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「神の国は近づいた」…では、それはどこにあるのか?
キリスト教とは何か~愛と赦しといのち(2)「神の国」はどこにあるのか
竹内修一(上智大学神学部教授/カトリック司祭(イエズス会))
イエスが伝道を始めた最初の言葉は、「神の国は近づいた」だった。では神の国とはどこにあるのか。この問いは重要だ。上智大学神学部教授・竹内修一氏によれば、神の国とは私たちが想定するような「あの世」ではない。神の国は、人々の間に出現する。よってそれは怖がるものではなく、希望に満ちた場所だ。(全6話中第2話)
時間:12分27秒
収録日:2016年12月26日
追加日:2017年3月7日
カテゴリー:
≪全文≫

●多くが不明なキリストの前半生


 次に少し項目を変えて、イエスが一体何を目指していたのかについてお話しします。

 最初に述べたように、彼の「イエス」という名は、ユダヤ人の間では珍しいものではありませんでした。そしてその意味は「主は救い」です。正確には「アドナイ」という言葉が使われていますが、「神」という言葉で置き換えてもいいと思います。「神は救い」あるいは「神は救う方である」という表現でもいいと思います。もう一方の「キリスト」というのは、人名ではなく、「油を注がれた者」です。ヘブライ語で「メシア」です。ヘンデル作曲の有名な「メサイア」に連なる言葉で、それのギリシャ語です。

 イエスの生涯は短く、およそ33年くらいだろうと思いますが、その彼が赤ちゃんとして生まれ、そして30歳くらいになるまでの間、彼の生活がどういうものであったかについて、私たちはほとんど知りません。聖書の中にもそういう記述はありません。彼が生まれたクリスマスの物語はありますが、唯一の例外として12歳の時に神殿に詣でたという話があります。しかしそのくらいであって、30年間の素朴な生活についての資料はないのです。

 そして30歳になった辺りに、彼は弟子たちを集めます。有名な12人の弟子を集めて、活動を始めます。彼の始めた活動のことを「公生活」といいます。「パブリック・ライフ」です。それ以前、30歳になる前のことは、私的な生活ですから「プライベート・ライフ」と表現することもあります。彼がその公生活を始めた時のことについて、マルコの福音書1章の言葉には、こういう表現があります。

 「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」。

 これが、イエスの公生活における最初の言葉であると、マルコは記しています。


●キリストの到来は、充実した時の現われ


 福音書について簡単に説明します。新約聖書を開くと、最初に四つの福音書が出てきます。マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネです。その後「使徒言行録」があり、その後「ローマ人への手紙」をはじめとして、たくさんの手紙が書かれていきます。ほとんどがパウロという人が書いた手紙です。

 新約聖書の中でも、特に最初の四つの福音書がとても大事だと言われています。なぜならその福音書には、イエスがどういう言葉を語ったかという語録、そして彼がどういう行いをしたかという記録が...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(1)ニューリベラリズムへの異議
ハーバート・スペンサーとダイシー…20世紀の危機の予言者
柿埜真吾
「ホメロス叙事詩」を読むために(1)ホメロスを読む
2700年前のホメロスの叙事詩が感動を与え続ける理由
納富信留
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
デカルトの存在論に学ぶ(1) 「我思う、ゆえに我在り」
「我思う、ゆえに我在り」はデカルトの専売特許ではない
津崎良典
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博

人気の講義ランキングTOP10
本番に向けた「心と身体の整え方」(1)ディテールにこだわる
トップアスリートが実践する「自分の高め方」とは…まず集中のスイッチを入れる方法は?
為末大
「満洲」から考える日本とアジア(9)アヘンの実態と満洲開発
満洲国の開発とアヘン問題…アヘンが資金源となったのは事実だが「同時代の世界」と比較せねば真実はつかめない
宮脇淳子
編集部ラジオ2026(35)鶴見太郎先生の公開収録を振り返る
【10min紹介】鶴見太郎先生の公開収録を振り返る・・・お寄せいただいた声
テンミニッツ・アカデミー編集部
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(2)厳格な一神教と選民思想
一神教とは、選民思想の真相とは…ユダヤ教の「最終目的」を考える
鶴見太郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
国家の利益~国益の理論と歴史(2)ペロポネソス戦争の教訓
国益の歴史…ペロポネソス戦争の教訓とトゥキディデスの罠
小原雅博
50代からの親の介護~その課題と準備(2)マネジメントとしての介護
介護を「プロジェクト」と捉え、マネジャーに徹すべし
太田差惠子
プラトン『ソクラテスの弁明』を読む(1)真実の創作
プラトンの『ソクラテスの弁明』は謎多き作品
納富信留