教育論~歴史の中のエリートたち
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「公のために自分を殺すような精神構造」が指導者の条件
教育論~歴史の中のエリートたち(1)「武士道のエトス」と「ノーブレス・オブリージュ」
齋藤健(衆議院議員  第30代経済産業大臣)
 「指導者を育む方法を持たない国家は衰弱する」と語る齋藤健氏。明治維新以降の日本のエリートたちに触れながら、現代の政治家や指導者が喪失したものや、良質な指導者を育むための教育論を熱く展開する。(全3話中第1話目)
時間:7分44秒
収録日:2014年2月18日
追加日:2014年5月15日
カテゴリー:
≪全文≫

●最後の明治型ジェネラリスト、鈴木貫太郎とリーダー育成


齋藤 鈴木貫太郎という人は、日清・日露の戦争に参加して、日露戦争では水雷艇の艦長として際立った勇敢さを見せました。戦後は海軍の次官から大将、そして侍従長を歴任、ジェネラリストのぎりぎり最後の末裔と言えますね。こうした明治のジェネラリストにくらべると、吉田茂などでさえ格は落ちると思います。それでもなかなかの人物ではありますが。

―― 鈴木は、水雷艇の艦長から始まって大臣、侍従長ですか。

齋藤 海軍出身の侍従長ですからね。侍従長は天皇の傍にいて全てに対応する役割です。それらを全部やった上で、最後に総理になる。日本の総理というのは、やはりどこか違うところがあったのですね。原敬などは、もっとすごいと思いますけれども、そのような人たちを出せるかどうかが、民族を救うかどうかを決する最後の砦です。

 私は、自著『転落の歴史に何を見るか』にも書きましたが、「危機になれば人材は自然に出てくる」のかというと、そうではない。やはり良質な指導者をどうやって育んでいくかということを社会の中にビルトインしておかないと、その国は長持ちしない。

―― そういう意味では、アングロサクソンもシンガポールも、それぞれのやり方を持っています。イギリスにはケンブリッジやオックスフォードに進学するためのボーディングスクールがあるし。

齋藤 イギリスはうまいですね。そして、タイプは違うけど、アメリカもなかなかいいエリートを持っている。

―― アメリカは層が厚いですよね。金も量も圧倒的なボリュームがあります。


●原敬と山縣有朋に学ぶ「お国のため」という議論


齋藤 それから、どの国もリーダーが必要だという明確な認識を持っています。日本では、「リーダーなんて、要るの?」のような話になるわけで、何よりも組織が違うのですね。

 私、今回は何を話そうかと思って自分の本を読み返していたら、一つ発見したことがある。自分の本で発見するのもどうかと思いますが。

 原敬は、不倶戴天の仲だった山縣有朋とひんぱんに会っては、5~6時間も話し込んでいます。『原敬日記』には「自分がこう言ったら、山縣はこう返してきた」とか「やはり大した人物ではない」とか、克明に書き込まれています。山縣は、彼にとっては寝首をかかれ兼ねない相手なのに、その相手とひんぱんに会っては...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(9)「トランプ大統領」の視点・論点
【テンミニッツで考える】「トランプ大統領」をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(7)若者の引きこもりと日本の教育問題
日本の引きこもりの深い根源…「核家族」構造の問題とは?
與那覇潤
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(7)日本の倫理こそ未来の理想
他人の幸福実現に喜びを見出す日本の道徳こそ未来の理想だ
賴住光子
「同盟の真髄」と日米関係の行方(7)トランプ氏の評価とその実像
こりごり?アイ・ラブ・トランプ?…トランプ陣営の実状は
杉山晋輔
『貞観政要』を読む(2)著作に登場する人物たち
房玄齢・杜如晦・魏徴・王珪―太宗の四人の優れた側近
田口佳史
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
インフレの行方…歴史から将来を予測する(6)高市政権誕生の影響
ポイントは財政悪化よりインフレ?…高市政権でどうなるか
養田功一郎
学びとは何か、教養とは何か
教養の基本は「世界史」と「古典」
本村凌二
新撰組と幕末日本の「真実」(1)近藤勇…教養人の素顔と日野宿本陣
近藤勇と日野宿本陣…多摩の豪農たちの財力と教養力の凄さ
堀口茉純