教育論~歴史の中のエリートたち
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
社会の背骨を支え、国際的な尊敬にも必須の資質
教育論~歴史の中のエリートたち(2)「道徳的緊張」を育む規範教育と幼児期読書
齋藤健(衆議院議員  第30代経済産業大臣)
 昭和、特に戦後に失われたものは多いが、それらの源泉を司馬遼太郎は、指導者の「道徳的緊張」と呼んだ。現代の教育や組織の現場に物足りない思いを抱く齋藤健氏は、失われたものを取り戻す方策を、歴史の中に模索する。(全3話中第2話目)
時間:10分21秒
収録日:2014年2月18日
追加日:2014年5月29日
カテゴリー:
≪全文≫

●超一流に接して学んだ旧制高校生たち


―― 昔の旧制高校や東京帝大は、天皇の官僚を育てようとした所でした。だから、戦後の受験勉強のなれの果てのような東京大学とはまるで違うような気がします。

齋藤 違いますね。授業も先生も違うでしょう。私は岡崎久彦さんに旧制高校の話を聞いたことがあります。彼はほとんど最後の世代でしたが、先生は超一流で、例えば数学なら当時の日本の数学者のトップクラス、仏文学なら仏文学の大家が、高校へ教えに来ていたと言われていました。そうすると、本物を見るわけです。

―― 彼の持っている教養は、書も達筆ですけれど、ご自分で書かれた「出師の表」は見事ですよね。

齋藤 見事です。岡崎さんも、やはり旧制高校の血を少し残した方ですね。

―― 最後の血がね。

齋藤 最後でしょう。例えば一高の歌で、「嗚呼玉杯に花うけて」の歌詞を見ても、「社会正義のために自分たちはやるのだ」というような歌詞になっています。今とは全然違う。

―― 「栄華の巷低く見て」とか、全然違いますね。

齋藤 そんなものは、自分たちには関係ないと。


●社会の背骨を支えるのは、指導者の「道徳的緊張」である


―― 要するに、規範がないところからは、エリートは出てこないのでしょうね。

齋藤 世界の国で出ているのに、なぜ日本ではこんなに希薄になったかが問題ですね。一流のスポーツ選手は出るのに、一流の政治家がなぜ出ないのか。スポーツ選手には、ノーブレス・オブリージュは要らなくて、環境と能力があれば世界のトップクラスにもなれる。だけど、政治や、もっと言えばビジネスも含めた世界でトップクラスになるには、環境と能力だけではダメで、やはりノーブレス・オブリージュが必要なのでしょうね。

 「公のために自分はやらなくてはいけない」使命感というと陳腐な言葉になってしまいますが、それを司馬遼太郎は「道徳的緊張」と呼びました。社会が背筋のピンと伸びたものになるか、ならないかの分かれ道は、指導者の「道徳的緊張」の有無であるというのが、あれほど歴史を研究した人の結論でした。

 道徳的緊張がなくても、オリンピックのメダルは取れる。だから日本人も取っている。でも世界の政治的リーダーは、多分それなしでは金メダルは取れないのでしょう。だから、日本は取れていない。

―― 「道徳的緊張」は、とてもわかりやすいですね...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
米国派経済学の礎…ハミルトンとクレイ(1)ハミルトンの経済プログラム
フェデラリスト・ハミルトンの経済プログラム「4つの柱」
東秀敏
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
半導体から見る明日の世界(1)世界的な半導体不足と日本の可能性
なぜ世界の半導体不足は起きた?台湾TSMCと日本復活への鍵
島田晴雄
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生

人気の講義ランキングTOP10
日本の財政の真実を検証する(3)金利上昇の深刻な影響
金利が上昇した未来を10年スパンで見てみると…何が起きるか?
宮本弘曉
老子の神髄(5)玄人と小国寡民
したたかで超越的な知恵…見えないものを見ようとする知的好奇心
田口佳史
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
編集部ラジオ2026(21)中西輝政先生:アメリカの本質
【10min解説】独立250年、アメリカの理念と本質とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(2)三大要素は「皇帝」「都市」「漢字」
中国皇帝の実像は都市ネットワークを握る「最大の資本家」だった
宮脇淳子
ラカンの精神分析~心の謎を解き明かす(2)エディプス・コンプレックスと自我
タブーを犯したい欲望…エディプス・コンプレックスとは?
斎藤環
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(6)リベラルアーツの本質
自分にしかできない自分の世界を味わうために、他の人とつながる
橋爪大三郎
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(4)ユダヤ人と金融
金融業にユダヤ人が多い理由、そして大国興亡史の裏面のユダヤ人
鶴見太郎