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街頭に立ち続けて25年以上、国民の関心を肌で感じる

政治家としての信念と財産

野田佳彦
衆議院議員
概要・テキスト
野田佳彦氏には、29歳で初めて県会議員になったときから大事に続けてきたことがあった。そこに込められた政治家としての想いとは。さらに総理経験を経て感じたことなど、野田氏に聞いてみた。
時間:16:10
収録日:2014/02/27
追加日:2014/06/05
カテゴリー:
≪全文≫

●表現は説得するための手段。それを変えていく努力をいつもやってきた


―― 中国の首脳というのは、温家宝氏もそうですが、会合が終わってから、野田さんを相手に話していることではないようですし、対応が変わってきましたよね。その辺りについて聞いてもいいですか。

野田 雑感としてではありますが話しますと、中国の幹部の人たちというのは、就任当時はやる気満々で、むしろ人格がチャーミングに見えたりすることもあったのです。けれども、権力の後退期を迎え、政権を引かれる頃になると、いろいろなことを心配しながら国家の運営をやっていることが分かり、すり減ってきているのではないかという印象でした。無表情な能面のような顔になってくる人がいたと思います。お互いに顔合わせをしているときも、どうも原稿を読み上げている、といいますか、頭の中に入れたことを繰り返しているような場合もありました。

―― むしろ中国は、権力基盤が安定していないのではないかという感じでしょうか。

野田 その部分はよく分かりませんが、背景を相当意識しているようで、ざっくばらんな意見交換はやりにくいのではないかなと。巨大な国ですので、その基盤を維持するのは結構大変なのではないかという感じはします。

―― 普通の民主主義の国とは違うということでしょうか。

野田 それぞれの国情が違いますから、迂闊なことは言えませんけれども、いろいろな要素があるのでしょう。

―― なるほど。野田さんの演説や回想録の話も、メモを見ないで良くこれだけいろいろなことが頭に入っているなと、いつも思うのです。政治家の方というのは、ものすごく忙しいではないですか。どういう時間帯にあれだけのことを勉強されるのでしょうか。

野田 大したことはやっていないのですが、ただ、原稿なしで演説するというのは、29歳で初めて無所属として県会議員になったときの質問からです。当時は30分の質問でしたが、一回目から原稿を見ないでやりました。もちろん、質問の相手に通告はちゃんとやっておきますが、質問をどう表現するかが大事です。演説というのは一つの表現ですから、通告の骨子はメモにしながらも、その場の空気を見ながら、表現を変えたりします。そういうことがないと、実は全然説得力がないのです。例えば、相手の顔などを見ながら、この辺りに関心が弱いなと思ったら、その人たちに関心を向けて...
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