「舞・飛天遊」―東京藝術大学COIのチャレンジ
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
東京藝術大学のAIを活用した「新しい伝統の創造」
「舞・飛天遊」―東京藝術大学COIのチャレンジ
松下功(元東京藝術大学副学長/元一般社団法人 日本作曲家協議会会長)
東京藝術大学は、文部科学省と科学技術振興機構が開始した「革新的イノベーション創出プログラム(COI)」の拠点として、芸術と科学技術の異分野融合など、さまざまな試みに着手している。今回は、AIを活用して新たな「感動」を創造する試みについて、東京藝術大学副学長の松下功氏にお話を伺った。
時間:10分41秒
収録日:2017年11月16日
追加日:2017年12月29日
≪全文≫

●芸術は最先端科学と一緒に歩んできた


 こんにちは。東京藝術大学副学長の松下功です。私は大学も本業ですが、作曲家でもあります。

 作曲といってもいろいろなジャンルがあります。私は、一般的にいわれる現代音楽の作曲家として、どちらかというと新しい挑戦をしています。普段はオーケストラも書いたりしていますが、子どもの歌も書きます。これがヨーロッパの作曲家と日本の作曲家の違いです。ヨーロッパの作曲家は、現代音楽なら現代音楽、ポップスならポップス、子どもの歌を書く人はそちらだけですが、日本の作曲家はいろいろなものを書くのです。私は、藝大の教授であると同時に、一般社団法人・日本作曲家協議会の会長も務めています。そこにはいろいろな会員がいます。

 さて、今回の取り組みは、われわれ東京藝術大学のCOI(Center of Innovation:革新的イノベーション創出プログラム)拠点としての研究です。芸術と科学を一緒にして、どういった新しい感動を生み出せるかということにチャレンジしています。日本は、皆さんご存じの通り科学の進んだ国ですので、その科学に芸術がどう取り組んでいくか、ということで、科学に芸術はなんとなく離れているように思いますが、実は芸術というものは常に最先端の科学と一緒になっているのです。


●電気を使うと不自然? アートはそもそも人工?


 例えば、あそこにあるピアノが、あのような形になるまでには、人間の表現が変わっていくいろいろな経緯がありました。

 大勢で聞きたいということから大きな音が必要となり、そのための表現力という点でどんどん変わっていくということです。そうすると、技術の方も最先端の技術が使われていきます。高価なヴァイオリンを作るにも最先端の塗料や木を削る技術が入り、管楽器も技術が発達するにつれて変わっていきます。それらは割と自然に行われてきました。

 ところが、ある時から違う概念が出てきました。「電気」です。電気が入ってきたので、これに抵抗する人が出てきました。これは不思議なことだと思います。なぜなら、日常生活では普通に電気を使っているのに、それを人工的、要するに「自然ではない」と見る発想が出てきたからです。しかし、人間の生活は常に新しいものを作っていくものだと私は思っています。

 「アート」という言い方は、「人工的」という意味です。人間が創るから「アート」...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「芸術と文化」でまず見るべき講義シリーズ
『ロビンソン・クルーソー』とは何か(1)読み続けられる18世紀の小説
なぜ『ロビンソン・クルーソー』は“最初の近代小説”なのか
武田将明
『太平記』に学ぶ激動期の生き方(1)なぜ今『太平記』を読むべきなのか
『太平記』は乱世における人間の処し方が学べる古典文学
兵藤裕己
印象派の解体と最後の印象派展(1)セザンヌと印象派
印象派の画家に大きな影響を与えたセザンヌの構築的筆触
安井裕雄
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
ルネサンス美術の見方(1)ルネサンス美術とは何か
ルネサンスはどうやって始まった?…美術の時代背景
池上英洋
『源氏物語』ともののあはれ(1)雅な『源氏物語』の再発見
『源氏物語』の謎…なぜ藤壺とのスキャンダルが話のコアに?
板東洋介

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(17)「過剰な良かれ」の落とし穴
【10minで考える】巨人・阿部監督の辞任と「過剰な良かれ」
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
老荘思想に学ぶ(3)「過度」を戒める「道」の思想
実力、実質を伴わずにやり過ぎるのは愚の骨頂である
田口佳史
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
もののあはれと日本の道徳・倫理(4)「なあなあ」の日本ともののあわれ
「なあなあ」と自粛警察…大和魂と漢才の対から見えるもの
板東洋介
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は音楽と数学であふれている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(2)厳格な一神教と選民思想
一神教とは、選民思想の真相とは…ユダヤ教の「最終目的」を考える
鶴見太郎