敗戦から学ぶ戦前のリーダーシップ
この講義シリーズの第1話は
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
戦前のリーダーシップの変質に迫る鍵は「歴史の捉え方」
敗戦から学ぶ戦前のリーダーシップ(2)エリート論と歴史の検証作業
齋藤健(衆議院議員  第30代経済産業大臣)
日本の敗戦から学ぶとき、歴史をどう捉えるかということが大事なテーマとなる。そこに、戦前のリーダーシップが変質した理由に迫る鍵がある。エリートに必要なものを挙げながら、歴史の検証作業について齋藤健氏が語っていく。(後編)
時間:6分45秒
収録日:2014年2月18日
追加日:2014年6月12日
≪全文≫

●エリートには、「マドリングスルー」に耐える強靭な精神構造が必要


齋藤 イギリスのエリートのあるべき姿の言葉に、「マドリングスルー(muddling through)」という言葉があります。中西輝政先生がよく言うのですが、要するに物を進めるというのは、泥の中で足を取られながら一歩一歩行くということで、物が順調に進むことなどないということです。それが、マドリングスルーということで、全ての物が実現するのは、マドリングスルーだというのです。エリートには、そのマドリングスルーに耐える強靭な精神構造が求められていて、足を取られたから、もうやめるということではなく、それでも前に進む。それがエリートのありようだというわけです。

私は、マドリングスルーよりもっと近いものがあると思ったのは、「匍匐前進(ほふくぜんしん)」です。重い荷物を背負って、立ち上がると撃たれてしまう。今がそうです。農林は大変で、立ち上がると撃たれてしまう。ジリジリという感じで、苦しい。匍匐前進とは、そんな印象で、マドリングスルーよりも大変です。立ったら撃たれてしまうわけですから。


●表向きだけが残るのが歴史、ゆえに想いに迫る検証作業は必要である


―― インタビューしながら、自分でも残しておこうかなと思っているのですが、日本というのは、相当いい加減で、まともな自伝を書けるような筆力を持っている人はおらず、陸奥宗光氏の『蹇々録』くらいで終わっているわけです。あとは、適当に都合のいいことを書いてしまう。

また、政治学自体が進んでいないです。何があったのかということを、役所の側からメモリアルとして書くわけにもいかないですが、そういうものがあると、やっぱり全然違うと思います。

齋藤 今の神藏さんの話を聞きながら思ったのは、歴史というものをどう捉えるかという時に、そのことをやった人の本当の想い、心の中というのは分かりませんよね。冒頭で述べたようなものもそうだし、先ほど少しつまらない例で申し上げた「なぜ高い目標を設定するか」ということも含めて、本当のことを言ったらできなくなってしまうから、本当のことを言わないで、物事や歴史は積み重なっていくわけです。

ですから、政治家という立場の人で、過去の出来事を見ながら、「この人の本心はきっとこうだったに違いない」ということを見抜ける、想像できる、という人が、歴史...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(39)上野誠先生の万葉集講義と現代
【10min解説】万葉集に学ぶ「公務員倫理法」の大失敗?
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(6)ピョートル大帝の宗教改革
王座に乗った革命家・ピョートル大帝の「宗教改革」と、ソビエト時代のロシア正教の「弾圧」と「利用」の実情
上月豊久
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
『源氏物語』を味わう(3)形容詞からの楽しみ方
美しい形容詞の使い分け…『源氏物語』の表現を味わう
林望
「満洲」から考える日本とアジア(9)アヘンの実態と満洲開発
満洲国の開発とアヘン問題…アヘンが資金源となったのは事実だが「同時代の世界」と比較せねば真実はつかめない
宮脇淳子
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠