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ITと物流を結ぶ「農業ベンチャー」の仕事

ビジネスとしての農産業~農業×ITベンチャー(2)農業総合研究所のビジネス

及川智正
株式会社農業総合研究所 代表取締役会長CEO
概要・テキスト
2016年6月に東証マザーズへ上場した初の農業ベンチャー。東京農大出身の若き社長が和歌山で起業。さまざまな点で注目されるそのビジネスはどのようなものなのか。農業×ITベンチャーの株式会社農業総合研究所代表取締役社長の及川智正氏が「ビジネスとして魅力ある農産業の確立」について語る。(全5話中第2話)
≪全文≫

●国内外1000以上の「直売所」で農家直送野菜を販売


 弊社の仕事を具体的に説明しましょう。今ご覧いただいている方は、全国にある「道の駅」「農産物直売所」「ファーマーズマーケット」におそらく行かれたことがあると思います。そのような農家さん直送の野菜が買える場所は、全国に約2万店舗ほどあるといわれています。

 ただ、これら2万店舗の立地はやや地方寄りです。そこで、これを都会に持ってこようということで、われわれはお肉やお魚を売っているスーパーマーケットさんの中に売り場を借り、全国の農家さんに開放していこうとしています。

 農家さんが作った野菜、果物、花、お米、またジュースやジャムやみそなどの加工品を、そこで自由に販売するために、ITと物流のプラットフォームをスーパーマーケットさんと農家さんに提供する仕事をしているのが、農業総合研究所です。今では契約店舗が国内外に約1100店舗になりました。海外では現在、香港を中心に4店舗展開しています。


●値段も販売店舗も農家が決めてバーコード分類


 直売所の商品を供給してくれるのは、現在全国に約7200名いる登録農家さんです。この方たちが毎日、われわれの直営あるいは業務提携先の集荷場に野菜や果物を持ってきてくれます。それぞれの農家さんから集荷場までの距離は、だいたい片道30分圏内ぐらいです。

 集荷場に着いた農家さんは、まず、バーコードを作成します。何を書くかというと、まず生産者名です。例えば、山下さんがミニトマトを持ってきたら、「山下・ミニトマト」のシールを自分で作ります。

 そして、ここが面白いところの一つですが、スーパーマーケットさんで販売する末端売価を生産者さんが決められる仕組みになっています。もしも山下さんがミニトマトを100円で売りたいと思ったら、「山下・ミニトマト・100円」というシールを自分で作って、自分のミニトマトに貼ります。

 もう一つ面白いのは、販売したいスーパーマーケットさんの店舗を自分で選ぶことができるところです。例えば、東京・渋谷の××店で売りたい、東京・中野の△△店で売りたいということまで自分で選んで、われわれの集荷拠点に置いておきます。その後、われわれの物流に乗せて、該当するスーパーマーケットさんで販売してもらうとい...
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