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農業はアイデア次第で儲かる仕事になる

ビジネスとしての農産業(3)物流&ITプラットフォーム

及川智正
株式会社農業総合研究所 代表取締役社長
情報・テキスト
株式会社農業総合研究所代表取締役社長の及川智正氏が、農業をビジネスとして魅力あるものにするためのノウハウ、仕組みについて解説する。ITを駆使して及川氏が構築したプラットフォームには物流面、コスト削減の面でさまざまな工夫がされている。いずれも、生産者がメーカーポジションで判断し、クリエイティブ産業として農業をできるようにするためのものだ。さらに、及川氏は生産者と生活者をいかにつなぐかが重要だと説く。(全5話中第3話)
≪全文≫

●タブレットを活用した情報戦略の数々


 2年ほど前の2016年10月に弊社・株式会社農業総合研究所はNTTドコモさんと業務提携しました。何をしているかというと、タブレットと小型のシールの発券機をセットにして生産者さんにレンタルをしているのです。このタブレットを見ていただくと、売り上げ情報だけではなく、いろいろな情報が分かる仕組みになっています。



 簡単にタブレットの説明をします。生産者さんがタブレットを開くと、まずはログイン画面がでてきます。生産者さんの生産番号、そしてパスワードを入れてログインすると、一番初めの画面に「農直」と「資材購入」いうボタンが出てきます。



 「農直」とはわれわれの基幹ビジネスである「農家の直売所」を略してそう呼んでいるのですが、ここではその農家の直売所の情報をたくさん見ることができるのです。現在このわれわれのプラットフォームは約5,000名の方に使っていただいています。5,000名の方が使っているということは、逆にいえば、種や苗、肥料などいろいろなものを生産者さんに販売できる、そうした可能性も出てくるのではないかと考えられるため、そういうものも開発中ということで資材購入というボタンを作っているのです。将来的には例えば「新しい種、出ましたよ」「新しい肥料、出ましたよ」、「新しい農薬、出ましたよ」というような宣伝広告をしたりということも考えています。

 また今、全国の地銀(地方銀行)さんと業務提携をさせてもらっています。それで何をしたいかというと、空いているスペースを活用して地銀さんへの口座開設ボタンを作り、農家さんが地元の地銀さんの口座を簡単に取れるような仕組みを作っていきたいと思っています。


●シール発券一つにも利便性、安全性を追求




 さて、「農直」というボタンを押しますと、8つのボタンが出てきます。ここでラベル(シール)の発券について説明します。今までは集荷拠点に行かないとバーコードが発券できない仕組みになっていたのですが、今はタブレットに小型のシールの発券機が一緒にセットになって付いていて、自宅でバーコードが出せる仕組みになっています。

 簡単にやってみましょう。「ラベル発券」を押し、「バーコード作成」から「販売先(スーパーマーケット)」を選んで商品を探します。例えば、青ネギを100円で売りたいなら100円(※スライドでは大根・158円になっています)と入れて「決定」を押して次へ。そうするとそのスーパーマーケットさんのシールが表示され、「次へ」を押すと隣のシールの発券機からシールが出てきます。それを自宅で貼ってわれわれの集荷拠点に持ってくる、もしくは集荷拠点が近くにないという方はわれわれの指定したスーパーマーケットさんに直接宅配便で送ってもらったりしています。

 ここで重要な機能について説明します。生産者さんがタブレット、もしくは自宅のパソコンで野菜などをどのような肥料、どのような農薬を使って栽培していたかというトレーサビリティを入力しないとシールの発券ができない仕組みになっています。つまり、生産者さんにそういった情報を入れていただくことによって、それをデジタル上に蓄積し、生活者の安心・安全を担保していることです。そして、そのデータを使って将来的には生産者さんにもいろんなサービスをしていこうと考えています。


●いながらにして売り場、市場の情報を入手できる仕組み


 スライドにある右側の緑色のボタンですが、こちらは何かといいますと、スーパーマーケットさんのいろいろな情報が見られるボタンになっています。




 「売上情報」と押すと、そのスーパーマーケットさんの売上情報や、自分の売上は全国で今何位なのか、あるいは集荷拠点で何位なのかということが分かります。また、商品を100個出して今、何個そのスーパーマーケットさんでロスが出ているかということも、分かる仕組みになっていたりします。そして、月末の入金金額が確定したら、いくらの入金をしますよ、ということがデータでダウンロードできるようになっています。

 その隣の「店舗情報」は、スーパーマーケットさんの定量的な情報が全て分かるという仕組みになっています。どういうことかというと、先ほど説明した通り農家さんの自宅から都会のスーパーマーケットさんまで離れている場合、なかなか見に行くことができません。そのため、そのスーパーマーケットさんの情報がインターネット上で簡単に分かる仕組みになっています。店舗の広さがどれだけあるのか、その店舗がロードサイドなのか、駅中なのか、駐輪場が何台、駐車場が何...
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