トランプ発貿易戦争
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
NAFTAとWTOにおけるトランプの一方的な要求
トランプ発貿易戦争(4)NAFTA再交渉とWTO機能停止の危機
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
トランプ大統領が影響を与え、世界を混乱に巻き込んでいるのは対中制裁を軸とする関税問題だけではない。NAFTA(北米自由貿易協定)、WTO(世界貿易機構)にも、トランプ大統領の一方的なやり方、発言の火の粉が飛び、世界を驚かせている。(全6話中第4話)
時間:7分55秒
収録日:2018年10月11日
追加日:2018年11月19日
カテゴリー:
≪全文≫

●NAFTA見直しに目をつけたトランプ


 米中は大変なことになっていますが、NAFTAというものがあります。これは、北米自由貿易協定(North American Free Trade Agreement)といいますが、これとWTO(世界貿易機構)の問題を皆さんにご紹介したいと思います。

 NAFTA(北米自由貿易協定)はこういうことです。北米というと、一番北にカナダ、真ん中にアメリカ、南にメキシコがあります。アメリカは最大の工業国ですが、さらに世界経済を発展させるために、賃金の安いメキシコ、良質な労働力のいるカナダでつくったものを、部品でも自動車でもアメリカに輸出するときは、ほとんど関税なしということにしたのです。

 そうすると何が起きるかというと、アメリカの企業がまずメキシコとカナダに投資するのですが、他にも世界中の企業がメキシコとカナダに投資して、そこでどんどんものをつくり、アメリカ市場に安く入れていき、そうして世界経済が発展したのです。トランプ氏はこれを見て、「私の生涯で見た最悪の協定だ。こんなものはたたきつぶさなければいけない」といった内容のことを、大統領選挙中に発言していました。いざ、大統領になってしばらくはできなかったのですが、とうとう2018年の夏に、「本気でやる」と言い出したのです。


●協定見直しに応じたメキシコ


 交渉は3カ国で行います。つまり3カ国協定ですから、なにか行う時は必ず3カ国でやろうというように約束をしていたのです。ところが、カナダがなかなか言うことを聞きません。カナダのジャスティン・トルドー首相は若くてすてきな人で、結構芯が強いのです。トランプ氏は大嫌いのようですが、カナダの意見を全部統合させようとして努力をしています。だから一筋縄ではいかないのです。

 トランプ氏は、厄介だなと思ったのでしょう。メキシコの方を向きました。「メキシコとの間には壁を造って、メキシコ人の不法労働を入れない」などと言っていましたが、その時は、メキシコの大統領もなかなかの人で、「壁の建設費など払わない」と拒絶しながら、「アメリカとは合理的な話をしよう」ということを言っていたのです。ところが、メキシコ人の怒りを買ったため、かなり左翼的な人が次のメキシコ大統領に選ばれたのです。2018年12月にメキシコの大統領は替わってしまうのですが、今は「レームダック」といって、それまでの間、今の大統領が地位について...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
米国派経済学の礎…ハミルトンとクレイ(1)ハミルトンの経済プログラム
フェデラリスト・ハミルトンの経済プログラム「4つの柱」
東秀敏
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹
こどもと学ぶ戦争と平和(1)私たちに必要な想像力と戦争体験
なぜ戦争が起こるのだろう…大切なのは想像力と生の声
小原雅博
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
国際地域研究へのいざない(1)地域研究の意味とイスラエル研究
なぜ経済学で軽視されてきた「地域研究」が最高の学問なのか
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(12)自転車の青切符と「法と自粛」
【10minで考える】自転車の青切符と「法と自粛」
テンミニッツ・アカデミー編集部
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
『「甘え」の構造』への誤解…甘えはダメなものなのか?
與那覇潤
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(5)ゴールドや暗号通貨への評価
ゴールドやビットコインへの評価は?…現代社会の写し鏡
養田功一郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(3)戦争終結シナリオと大統領選挙の行方
MAGA連合に亀裂!?イラン戦争が及ぼす大統領選への影響
東秀敏
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(6)日本人の当たり前と山本七平の違和感
日本の異様さ…フィリピンから復員した山本七平が驚いたこと
與那覇潤