トランプ発貿易戦争
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
アメリカの追加関税に中国は「以戦止戦」
トランプ発貿易戦争(3)アメリカの制裁・中国の以戦止戦
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
独特の経済観を持つトランプ大統領は、知的財産権侵害という理由で中国制裁に動き出した。第1回米中通商協議の一方的な要求を一時はある程度のんだ中国だが、「以戦止戦」と徹底的に戦う姿勢に転じた。その経緯と、その後の制裁・報復関税の応酬を追う。(全6話中第3話)
時間:9分33秒
収録日:2018年10月11日
追加日:2018年11月18日
カテゴリー:
≪全文≫

●中国の知財侵害を主張するナヴァロとUSTRの調査結果


 さて、トランプ氏は「中国をやっつけてやる」と言い出したのです。実は、「中国は知的財産権を侵害している」ということをずっと言い続けているピーター・ナヴァロというカリフォルニア大学の先生がいたのです。私はこの人の本をいくつか読んでいますが、この人は、ハーバードで経済学博士を取得していて、少し考え方が偏っています。

 ナヴァロ氏があまりにそういうこと言うので、トランプ氏はそれを信じ切っているのです。彼はトランプ政権の経済貿易政策の担当補佐官だからです。そこで、USTR(アメリカ合衆国通商代表部)が、中国はどれほどいけないかということの調査に入りました。

 その結果、少なくとも4つほど中国はとんでもないことをやっていると報告されています。例えば、アメリカのハイテク企業が中国に投資をすると、「技術を移転するように。そうでなければ営業させない」と圧力をかけるというものです。それから、技術移転契約をするときに、中国の企業にはやらないようなことをアメリカの企業にはやったりするというものです。そして、先端技術を持つアメリカの企業を買収するのですが、なんとその買収の資金は中国政府が支援していると、USTRが言っているのです。これはもう不公正極まりないことだ、というわけです。それから人民解放軍が、そうしたハイテク企業の中にサイバー攻撃で入って、秘密を盗み出すということもやっているというようなことを、アメリカは主張しています。だから、中国を懲らしめるのだということなのです。


●一方的な米中通商協議に中国は一度、譲歩


 2018年5月に第1回の米中通商協議をしようということで、政権の中枢の人は皆、出掛けました。代表はスティーブン・ムニューシン財務長官で、その他、ロバート・ライトハイザー通商代表、ウィルバー・ロス商務長官という顔ぶれです。そこで、こういうことを言ったのです。

 “今から12カ月以内に1,000億ドルのアメリカの赤字をなくすように。さらに、その先の12カ月以内に、もう1,000億ドル、合わせて2,000億ドル(日本円で約22兆円)の赤字をなくす。中国は鉄鋼などの過剰生産につながるあらゆる補助金を全面撤廃するように。中国は、アメリカ企業から不当に技術を獲得する全ての手段を撤廃するように。中国は、アメリカが輸出規制法を発動したときに賛成するよう...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏

人気の講義ランキングTOP10
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(8)AI時代の人間の価値
労働市場改革を妨げる労組や、不登校を救えぬ文科省こそが邪魔だ
宮本弘曉
編集部ラジオ2026(17)「過剰な良かれ」の落とし穴
【10minで考える】巨人・阿部監督の辞任と「過剰な良かれ」
テンミニッツ・アカデミー編集部
飽食時代の「選食」のススメ(1)選食の提唱と「食の多様性」
肥満、認知症、低栄養…飽食の時代に大事な「選食力」3カ条
堀江重郎
ウェルビーイングを高めるDE&I(6)エクイティ実現と特権性の理解:前編
改札、公衆トイレ、在宅勤務…構造的格差とエクイティの意味
青島未佳
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(2)失敗の本質
『失敗の本質』初版から30年…同じ失敗を繰り返す日本組織
三谷宏治
いま夏目漱石の前期三部作を読む(1)夏目漱石を読み直す意味
メンタルが苦しくなったら?…今、夏目漱石を読み直す意味
與那覇潤
不便益システムデザインの魅力と可能性(1)「便利・不便」「益・害」の関係
「不便益」とは何か――便利の弊害、不便の安心
川上浩司
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(序)『ばけばけ』と『神国日本』
ラフカディオ・ハーンの遺著『神国日本』の深い意義とは?
賴住光子
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄