過去から未来へ、京都学派の役割
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
非国家的な世界主義者と非難された西田の思想とは?
過去から未来へ、京都学派の役割(3)ランケの考えと西田幾多郎の立場
髙坂節三(公益財団法人 日本漢字能力検定協会 顧問)
「世界史的立場と日本」を世に問うた京都学派。その思想について考えるうえで、ドイツの歴史学者ランケと西田幾多郎の考え方、立場を押さえておきたい。彼らがそれぞれヨーロッパとアジア、そして日本という立ち位置からどんな考えを持って世界史を捉えていたのか。髙坂節三氏が、当時の世界と日本の情勢をたどりながら解説を進める。(全5話中第3話目)
時間:15分55秒
収録日:2014年7月18日
追加日:2014年9月20日
≪全文≫

●ランケの考え~植民地の拡大と世界征服~


 そういうことで、レオポルド・ランケの考えと西田幾多郎先生の立場を付け加えていきたいと思います。

 ドイツの歴史学者ランケの世界史的立場というのはどういうものであったか。先ほど申し上げたように、「全ての時代は神に直結する」ということで、その意味では、現在も過去も未来も神につながっているという考え方です。それを現実にあわせてみると、19世紀後半からの西欧の植民地拡大の動きで、それに対して何とか独立しようという日本の考えに何か役に立たないか、そんなことを勉強されたのが、先ほどの鈴木成高さんです。その鈴木成高さんと父たちの歴史的世界が、お互いに交流をするわけです。

 では、この植民地の拡大というのは、いつから起こったのか。私は、やはり1492年のコロンブスによる新大陸発見とか、その後に続くマゼランの世界一周によって、世界というものが初めて全体像として捉えられるようになったということで、15世紀後半、あるいは、16世紀からだと思います。

 そのときから、いわゆる大航海時代を迎えます。世界を征服するために必要なものとして、ちょうどその頃、産業革命が起こってきて、近代的技術も発展します。その近代的技術というのは、機械の発展です。ですから、グローバリゼーションというのは、もともとこの時期から起こっていると考えた方がいいのだろうと思います。


●ランケの考え~ヨーロッパの世界史と、文明と野蛮の二元論~


 では、西欧の中で、誰がリーダーだったかというと、最初はご存知のようにポルトガルであり、スペインであったのです。それから、オランダ、イギリスへと移っていきますが、西欧社会が世界をリードする流れは変わっていません。これは、ランケのいうヨーロッパとは、地理的概念ではなく歴史的・文化的概念だったということです。ですから、ヨーロッパは多くの民族に分かれながら、精神ないし文化における統一性を持っている。ルネッサンスが古典への復帰であり、宗教改革が原始キリスト教への復帰であったように、ヨーロッパには原点となる精神がある。ヨーロッパは自己革新するために、根源的精神への復帰を媒介する。そのために、そこにヨーロッパの世界史というものが構想されるのだと、ランケは言っているわけです。

 ヨーロッパにおける世界というのは、諸民族個別の歴史の集積ではなく...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
「ホメロス叙事詩」を読むために(1)ホメロスを読む
2700年前のホメロスの叙事詩が感動を与え続ける理由
納富信留
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二
徳川家康と貞観政要(1)徳川家康が太宗から学んだ治世の要諦
『貞観政要』とはいかなる書か?家康は何を学んだのか?
田口佳史

人気の講義ランキングTOP10
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(5)恐るべき台湾への「浸透」
浸透工作…台湾でスパイ裁判が約70件、それも氷山の一角
垂秀夫
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
「満洲」から考える日本とアジア(6)21カ条の要求と第一次世界大戦
日本が中国に出した「21カ条の要求」の罠と必然…不安定な満洲利権を手にした日本が直面した難題とは?
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
死と宗教~教養としての「死の講義」(6)日本人の「死」と法然
南無阿弥陀仏と唱えて極楽浄土へ…法然の革命の意味とは
橋爪大三郎
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉