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今は失敗の経験が不可欠になっている時代

答えなき時代、「目利き」と失敗に学ぶ(2)起業と副業のススメ

情報・テキスト
真剣にリスクテイクすれば、たとえ失敗してもその経験から学べるものがある。重要なのはその失敗の経験をどう生かすかということだ。そのために学生にとっては起業することがいい訓練になり、社会人なら副業にチャレンジなどしてその経験を積むべきだろう。(全2話中第2話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
≪全文≫

●リスクテイクと適切な評価をセットで行う


柳川 前回、目利きを大事にしなきゃいけないんじゃないかと言われましたが、その通りだと思います。ただ、こういう時代なので、目利きであっても失敗もします。

―― そうでしょう。

柳川 それが、一度でも変な投資をしてしまったら、変なものを選んでしまったら、「おまえはとんでもない目利きだ」とかと周りから言われるような社会であったら、本当に目利き力がある人も、「これです」とは言う気がなくなってしまいますよね。

―― そうですよね。リスクテイクした人がただ痛い目に遭うだけということですね。

柳川 そうなんです。だから、目利きであっても当然100パーセント分かるわけではないですし、目利き力を発揮できる人はリスクを取ってそういうことをやっているので、それに対しての適切な評価をするということをセットでやっていくことが、そういう意思決定なりそういう選択ができるようにしていくために大事なポイントなんだろうと思うんです。


●真剣にリスクテイクして、失敗から学ぶ


―― これは、例えば2回くらい失敗していると、3回目に成功する確率は、真剣にやっている人だったらものすごく高まるということですよね。

柳川 そうなんです。

―― これだけイノベーションや環境変化が激しく、新しい技術が次々に出てくる時代が来るなんて、誰も見えないわけですよね。そのときに、真剣に考えてリスクテイクする。ほとんどのケースで最初は失敗するだろうけれども、2回目は、1回痛い目に遭っているからその失敗した要因を除去してくるので、相当賢くなっている人たちですよね。それでも、時代の変化が激しいのでなかなか追いつかないかもしれないけれども、その人に3回目を任したほうが成功率は上がりますよね。

柳川 上がりますね。そういう回数を重ねる。そこから学ぶことはすごく大きい。逆にいうと、経験、特に失敗の経験を通じてしか学べないことというのが、かなり多くなってきていると思います。

 やや強い言い方をすれば、そういう失敗が逆に不可欠になってきている時代なんだと思うんです。それを「失敗は許容しない」ということになると、実は本当に大事なことが誰も習得できないことになりかねない。実は2、3回失敗した人じゃないと任せないぐらいのことが本当は必要なんだと思うんです。


●失敗からどう学んでいるかを判断するメンターの役割


―― そういう意味で、経営者人材をつくるとか、次のリーダーをつくるとかいうことは、ここ20~30年の教訓としては、ことごとく日本は失敗したのに対して、逆にアメリカは1回衰退したけれども、シリコンバレーなどで、あるいは金融技術で復活の芽が出てくる。中国も、テンセントにしてもファーウェイにしてもアリババにしても、同じようなことですよね。やっぱり経営者人材をつくらないと、目利きをつくらないと、これからの成長はないと。

柳川 ええ、そのためにはやはり失敗を経験させていくことが重要だと思います。さらにあるとすれば、失敗からどういう経験を学んだか、ということが重要だったりするので。この人はその失敗から何を学んでいるか、そのことをしっかり判断できる、という意味ではメンター的な役割を持っている人が非常に重要になってきています。

 アメリカのシリコンバレーとかでこれだけ人材が育ってきているのは、その種の人の目利きというんでしょうか、失敗の仕方がいいというか、失敗から学んでいる度合いが大きい人かどうかということをしっかり把握している人が多い。日本はそれ以前の問題で、失敗しているともうその人のことは見ない、というようなことになっています。


●メンターも失敗しながら学んでいく


柳川 失敗を経験している人をちゃんと活用するということでいえば、次のステップとして、その失敗を経験した人がそこから何を学んでいるのかということをしっかり把握して、盛り立てる人がいるということが、大きなイノベーションのサイクルを生み出していく大事なポイントだと思います。

―― そうでしょうね。先生やメンターも、失敗の経験があって、何回か痛い目にあって成功した人じゃないと、メンターになれないですよね。

柳川 なれないでしょう。そうだと思いますね。

―― 必ず孤立無援のときがありますし、失敗したときに集中的に責められて、そのプロセスの中で知識ではなく体に身につけている身体知みたいなものがありますよね。それがないと、これからさらに激動の時代が始まると思うんですが、なかなかサバイブできないですよね。

柳川 できないですよね。


●失敗を分析、次に生かす


―― よく思うんですが、2000年の段階で、技術もあった、お金もふんだんにあった、技術者人材もたくさんいたけれども、結果的に状況がまるっきり変わって、...
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