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PCR検査の徹底と、隔離方針の明確化が必要不可欠だ

第2次緊急事態宣言・コロナ対策再検証(2)PCRと隔離

情報・テキスト
今回の新型コロナウイルスの最大の問題は、無症状者や軽症者がウイルスを感染させてしまうことである。検温や手指の消毒を徹底している病院でも院内感染が起きてしまうのは、まさに無症状者がすり抜けてしまうからだ。であるならば、PCR検査を徹底的に行って、感染者を明確にしていかねばならない。しかし、日本では「PCR検査をなるべくしないようにする」という議論が根強くある。そこをどう変えていくべきなのか。(全4話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:09:06
収録日:2021/01/08
追加日:2021/01/15
≪全文≫

●「無症状者、軽症者からの感染」への対処にPCRは必須


―― いまの話(国や県がPCRやワクチンのシステムをどうしていくか)について、曽根先生はどのようにお考えですか。

曽根 いま、だいたいどこの施設でも、入り口で体温を測り、手の消毒もします。しかし、これをやっていたのにもかかわらず、院内感染してしまった病院があります。なぜかというと、発症すると体温が上がりますが、しかし、それ以前の人がすり抜けて行ってしまったのですね。だからいま、入院するときには必ずPCR検査をしないと、危険で仕方がない。受け入れられないという状況になっています。

 PCRをうまく利用するのは、入院患者についてはできたけれども、それを一般にどう広げるか。つまり、従来の医療機関の発想でいくと、「一般の人にPCRをやっても意味がない」「無症状の人にPCRをやっても、それを受け止める施設がないのだから意味がない」ということだったのですが、そうではなくて、「いったいぜんたい、どのくらいの人が、いまの日本でウイルスを持って動き回っているんですか」ということを、実は知りたいのです。それがあれば対処の方法もはっきりするのです。

 しかし、「検査をなるべくしたくない」という、一方の議論がかなり強くあったわけです。それは乗り越えるべきだし、価格もそうとう安くなったし、技術も発達しました。

 そういう意味でいうと、いままでとは違うmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンを半年でつくって、それを市場に出すことができた。つまり、ウイルスの遺伝子情報を全部読んで、ファイザーの例だと5000文字くらいの塩基が連なるワクチンをつくったのです。これは、いままでの「不活化」ワクチンと随分違います。この手法は、ほかにも応用ができると思う。

 もちろん、「どれが、どのくらい有効か」ということは今後の課題ですが、たとえば、ファイザーはマイナス80度、モデルナはマイナス20度、しかし、アストラゼネカは常温でも可能だという。このようにどんどん進んでいる状況を見ると、古典的な公衆衛生の手法を、もっともっと新しい技術を使った組み合わせで乗り越えるべき点がある。そうでないと、一斉ロックダウン、一斉休校、あるいは時短も含めて接触禁止という手法の繰り返しになります。


●「無症状者や軽症者」の隔離方針と罰則を明確化せよ


小宮山 もう1つは、PCRをやって無症状者を見つけたり、軽症の方を見つけたりしますね。それを「入院してもらうか、ICUに入れるか、ホテルに入れるか、ご自宅で待機してもらうか、どのように分けるか」という問題があるわけです。その分け方を早くきちんとしないといけない。いま、感染症法というものがあって、最初にコロナが発生したときは、「もう全員入院だ。無症状でも入院させる」ということになりました。法律を厳格に読むとそうなります。しかし、「軽症者はホテルでもいい、自宅待機もやむをえない」というようにしてきたわけです。

 これは正しいことですが、しかし、その方針を明確にしないからいけない。病院が破綻してしまう。「やはりそれでも入院したい」という人もいると思いますが、そういう人に「こちらで待機しなさい」といわなければならない。また、軽症だといって自宅待機をした方で急に亡くなってしまう方も出るのだけれども、そういうことばかりが報道されて「やっぱり自宅待機だからいけないのではないか」という議論になってしまう。そんなことをいったら、病院は簡単にパンクしてしまうわけです。

 やはり、「病院をパンクさせて、バタバタ亡くなってしまう」ほうが良いのが、「きわめて不幸な方が、軽症だったのに亡くなってしまうことが確率的にある程度起こってもやむをえない」ということで合理的に判断するか。

 私はPCRで調べて、無症状者は自宅待機という方針でいくべきだと思う。ただ、陽性のあいだは、うつす可能性があるから、外に出てはいけないということにする。

 私は、こうするには法律を決めないと罰金を取れないのかと思っていたのですが、先日、テレビを見ていたら、元鳥取県知事の片山善博さんが、「罰金は取れないけれども、過料ならば取れる」とおっしゃっていました。それは、県の条例で取れるそうです。私は片山さんを信用していますし、おそらく正しいことをおっしゃっていると思います。そのくらいのことを、私はやればいいと思うのです。

 それを明確なルールで、それこそ緊急事態宣言に備えて、政府が説明する。「重症とは、こういうことだ」と。

 先日、東京医科歯科大学の田中雄二郎学長の講演を聴いて、私の記憶が正しければ、「(重症者は)人工呼吸器を使う人と定義すればいい」とおっしゃっていたと思いますが、それならば、必ずしもICU(集中治療室)でなくてもいいという...
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