第2次緊急事態宣言・コロナ対策再検証
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
PCR検査の徹底と、隔離方針の明確化が必要不可欠だ
第2次緊急事態宣言・コロナ対策再検証(2)PCRと隔離
今回の新型コロナウイルスの最大の問題は、無症状者や軽症者がウイルスを感染させてしまうことである。検温や手指の消毒を徹底している病院でも院内感染が起きてしまうのは、まさに無症状者がすり抜けてしまうからだ。であるならば、PCR検査を徹底的に行って、感染者を明確にしていかねばならない。しかし、日本では「PCR検査をなるべくしないようにする」という議論が根強くある。そこをどう変えていくべきなのか。(全4話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分06秒
収録日:2021年1月8日
追加日:2021年1月15日
≪全文≫

●「無症状者、軽症者からの感染」への対処にPCRは必須


―― いまの話(国や県がPCRやワクチンのシステムをどうしていくか)について、曽根先生はどのようにお考えですか。

曽根 いま、だいたいどこの施設でも、入り口で体温を測り、手の消毒もします。しかし、これをやっていたのにもかかわらず、院内感染してしまった病院があります。なぜかというと、発症すると体温が上がりますが、しかし、それ以前の人がすり抜けて行ってしまったのですね。だからいま、入院するときには必ずPCR検査をしないと、危険で仕方がない。受け入れられないという状況になっています。

 PCRをうまく利用するのは、入院患者についてはできたけれども、それを一般にどう広げるか。つまり、従来の医療機関の発想でいくと、「一般の人にPCRをやっても意味がない」「無症状の人にPCRをやっても、それを受け止める施設がないのだから意味がない」ということだったのですが、そうではなくて、「いったいぜんたい、どのくらいの人が、いまの日本でウイルスを持って動き回っているんですか」ということを、実は知りたいのです。それがあれば対処の方法もはっきりするのです。

 しかし、「検査をなるべくしたくない」という、一方の議論がかなり強くあったわけです。それは乗り越えるべきだし、価格もそうとう安くなったし、技術も発達しました。

 そういう意味でいうと、いままでとは違うmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンを半年でつくって、それを市場に出すことができた。つまり、ウイルスの遺伝子情報を全部読んで、ファイザーの例だと5000文字くらいの塩基が連なるワクチンをつくったのです。これは、いままでの「不活化」ワクチンと随分違います。この手法は、ほかにも応用ができると思う。

 もちろん、「どれが、どのくらい有効か」ということは今後の課題ですが、たとえば、ファイザーはマイナス80度、モデルナはマイナス20度、しかし、アストラゼネカは常温でも可能だという。このようにどんどん進んでいる状況を見ると、古典的な公衆衛生の手法を、もっともっと新しい技術を使った組み合わせで乗り越えるべき点がある。そうでないと、一斉ロックダウン、一斉休校、あるいは時短も含めて接触禁止という手法の繰り返しになります。


●「無症状者や軽症者」の隔離方針と罰則を明確化せよ


小宮山 もう1つは、PC...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
性はなぜあるのか~進化生物学から見たLGBT(1)有性生殖と無性生殖
なぜ雄と雌の2つの性別があるのか…「性」の謎とLGBT
長谷川眞理子
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹

人気の講義ランキングTOP10
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
平和の追求~哲学者たちの構想(5)カント『永遠平和のために』
カント『永遠平和のために』…国連やEUの起源とされる理由
川出良枝
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(1)史実としての豊臣兄弟と秀長の役割
豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割
黒田基樹
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境に対峙する哲学カフェ…西洋哲学×東洋哲学で問う矛盾
津崎良典
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
熟睡できる環境・習慣とは(4)起きているときを充実させるために
夜まとめて寝なくてもいい!?「分割睡眠」という方法とは
西野精治
渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会
古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著
渡部玄一
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政