第2次緊急事態宣言・コロナ対策再検証
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「医療現場の逼迫」という大問題はこうすれば解消できる
第2次緊急事態宣言・コロナ対策再検証(3)医療を救う方法
緊急事態宣言が出される大きな要因は「医療現場の逼迫」である。現実に、いまコロナ患者の治療に必死に当たっている医療従事者の努力、献身は大変なものである。だが、日本は現段階では欧米の数十分の一程度の感染者数なのに、なぜ医療現場が逼迫してしまうのか。そこに「医療資源配分の適正さ」や「目詰まり」の問題はないのか。どうすれば、この大問題を解決できるのか。(全4話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:8分30秒
収録日:2021年1月8日
追加日:2021年1月16日
≪全文≫

●なぜ、本来は豊富な医療資源を使い切れていないのか


曽根 この(新型)コロナウイルスの1つの特長は、人工呼吸器でつなぐあいだに、ウイルスが陰性になるのを待つ。まだ、ワクチンも特効薬も十分に出ていないので、「酸素を絶やさない」という方法が、1つの治療なのです。ですから、自宅でも酸素が下がらないようにする。入院したら、人工呼吸器がある。大づかみにいえば、それさえできれば、つまり、容体があやしい人の命をいかに永らえるのかという手法は、かなり確立したと思います。2020年3月くらいからの経験知は積み重なっています。医療機関もどう対処すればいいかはわかったと思います。

 しかしもともと、感染症のお医者さんや看護師さんの数は少ないのです。医療資源としては、「ベッドはあってもお医者さんはいない」というところで目詰まりが起きるわけですが、「世界的に見て(進んでいる)日本の医療体制を維持しながら、コロナ対策をどうするか」という手順が明確になれば、医師会からの反発もそんなに強くなくて済むのではないかと思います。

小宮山 いまの問題を明確にしておくと、国民の数あたりのベッド全体の数は、日本は世界のトップクラスに多い。それから感染者の数は、いま増えたといっても、まだ欧米の数十分の一です。少なくとも十分の一以下です。

 いまベッドの数に換算していいましたけれども、医療の資源が他の国より豊かで、破綻するはずがないのです。十分の一、三十分の一の感染者の数で。これが破綻するのは、いまおっしゃったような状況によるわけです。

 だから、もう当たり前に「無症状の人は、こうだ」ということを明確にする。ここが非常に重要。

 そのときに、いろいろなことをいうのです。たとえば、「ICUが少ない」。これはそうです。ICUの数は少ない。しかし、では、「いまあるICUがきちんと使われているか」といえば、使われていないのです。これも東京医科歯科大学の田中学長の話を聞いたのですが、たしか、二十数床あるICUなのだけれども、ここが相部屋になっている。そこに1人コロナ患者を入れてしまうと、みんな他のことに使えなくなってしまう。そこで仕切りを入れて、こちらはコロナ用ということで十何床かを使っておられる。1500万円でできたそうです。だから、そういうことをどんどんやればいいのです。

 それらのさまざまな目詰まりで、(...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
培養肉研究の現在地と未来図(1)フェイクミート市場とリアルミート研究
食肉3.0時代に突入、「培養肉」研究の今に迫る
竹内昌治
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子

人気の講義ランキングTOP10
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
平和の追求~哲学者たちの構想(5)カント『永遠平和のために』
カント『永遠平和のために』…国連やEUの起源とされる理由
川出良枝
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(1)史実としての豊臣兄弟と秀長の役割
豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割
黒田基樹
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境に対峙する哲学カフェ…西洋哲学×東洋哲学で問う矛盾
津崎良典
熟睡できる環境・習慣とは(4)起きているときを充実させるために
夜まとめて寝なくてもいい!?「分割睡眠」という方法とは
西野精治
渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会
古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著
渡部玄一
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(2)「ほめる」技術
男性は「ほめる」のが苦手?傾聴から始まる「ほめる」技術
三谷宏治
インテリジェンス・ヒストリー入門(3)戦後日本の構造
戦後日本はなぜインテリジェンスを軽視してきたのか?
中西輝政