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PCR検査拡充で「コロナ対策」も「経済」も両方回せる

第2次緊急事態宣言・コロナ対策再検証(4)全体の最適化

情報・テキスト
「コロナ対策が大切なのか、経済が大切なのか」という議論がある。もしコロナ対策で、移動制限や外出自粛を強化すれば、経済への大きな打撃となる。しかし、コロナ対策より経済を重視して、旅行や消費などの拡大策を採れば、コロナ感染が一気に拡大してしまうかもしれない。だが、この問題設定自体が誤りであって、本当は「どちらも大事」であるはずだ。経済は、単なる金儲けでなく、「生きていくこと」に直結しているからである。では、コロナ対策と経済の「両方」を進めていくためにどうすればいいのか。大切なのは、「法律にコロナを合わせるのではなく、コロナに最適化した体制をつくる」ことではないか。(全4話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:07:57
収録日:2021/01/08
追加日:2021/01/16
キーワード:
≪全文≫

●レストランに行くときに毎回PCR検査を


曽根 それ(必要に応じてPCRをどんどんやること)をいうと、「日本国民全員にPCRをやるのか」という議論になって、「そんなことは無理だ」という話になります。そうではなくて、「接触」あるいは「移動」をするときなどにはPCRを使えばいいのです。「一律、接触禁止」「一律、移動禁止」ではなくていい。「移動したい」というのはリスクを取ることです。「リスクは、自分でPCRでクリアして、移動しましょう」。「レストランに行くときにはPCRをやって、クリアして行きましょう」。

小宮山 そうです。

曽根 それならば、(PCRを受けるのが)全員でなくていいのです。リスクに関係する人がPCRをやればいい。それがもっと自由にできるようになれば、一律閉鎖、一律禁止でなくて済むと思うのです。

小宮山 そこが非常に大きなポイントです。いまは「経済か、コロナか」という議論でやっているわけですが、両方大事なのです。2020年10月には、日本国内でコロナでなくなった方は191人でした。一方、昨年の同じ月と比べて増えた自殺の数が614人です。ずっと自殺者は減ってきていて、増えるはずがないのです。増えた600人はコロナに決まっているのです。

 コロナで亡くなった方の3倍以上の数が、自殺しているわけです。これはおそらく、経済に関係していると思います。あるいは、ずっと家にいろということに関係している。

(経済も、コロナも)どちらも重要なのです。経済というのは、「金儲け」という話だけではなく、「生きていく」という意味でも重要です。

 たとえば会合などでも、いま曽根先生がおっしゃったように、PCRをやればいいのです。いま数時間で結果が出ますから、「それでOKだった人は会食をしていい」というようにする。

 経済もやりつつ、コロナも抑えることは、いまの技術を総動員なんていわなくても、PCR関連などでいくつか使えばできるはずです。ワクチンはもうできるわけですから、これはもうやるだけの話です。必要な技術は、ほとんどPCRだけでしょうか。あとは酸素濃度を測れる機械など細かいことがありますが。


●使われていない医療資源の活性化のためにどんどん手を打て


小宮山 それから、さらにいうと、(医療現場の)人が足りないというような議論も出てくるわけです。しかし、いま、お医者さんや看護師さん、その他の医療従事者のうち、いったいどれくらいが、コロナでアクティブに動いているのでしょうか。「アクティブに動いている人が大変だ」という話ばかりが出てくるわけです。

 だけれども、ほとんどの病院がコロナを受け付けないわけです。受け付けないのなら、人が助太刀をするとか、受け付けられるようにした病院にみんなでお金をサポートするとかを考えるべきでしょう。

 というのは、コロナを受け付けると、他の患者さんが来なくなってしまうからという議論もあるわけです。だけども、「ここは明確にコロナをやる、そうしたら、お金をこれだけ出す」ということをやってもいい。

 いま、たっぷり医療資源はあるのです。それが有効に使われていない。たぶん1割も使われていないのではないですか。だから、欧米の十分の一、三十分の一の感染者数で、日本の医療現場が破綻しそうになっているわけで、ここが非常に大きな問題です。

 (問題は)1つひとつ出てきますから。ベッドはあるけれどもICUがない。ICUはあるけれども、コロナ患者を1人入れたら、ほかの患者さんが来られなくなってしまうから、とても入れられない。入れられるけれども、医療従事者が足りないんだ、とくに看護師さんが足りないのだ、という話がある。そこのあたりの融通ですよね。


●法律にコロナを合わせるのではなく、コロナに最適化した体制を


―― 今日のお話をまとめていくと、1つはPCRです。PCRをどうやっていくか。それを拡充させたうえで、もう1つは、いまの隔離体制ですね。(現状のように)2類で対応するか、それとも5類に引き下げるかという議論があるわけですが、ある意味では、いまの法律に病気を合わせるのではなくて、新型コロナウイルスにいちばん最適化した体制を整えるべきではないか。その組み合わせがあれば、急激に抑え込めるのではないか。

 あとは、PCRと医療体制・隔離体制を明確化すれば、医療のほうの資源が、なかなか十全に活用できていないことも、もう少し解消できるのではないか、ということになっていくかと思うのですが、医療の資源をどう再配分するかということは、曽根先生はどのようにお考えですか。

曽根 現実にコロナ対応のための医療が忙しい、手一杯で、目詰まりしている、崩壊だという状況がありますが、もう片方では、ヒマなところが随分増えてしまいました。1つは、医療機関に...
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