危機は経済を大きく変える
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
コロナが変えたデジタルトランスフォーメーションの動き
危機は経済を大きく変える(2)鍵はデジタル技術
伊藤元重(東京大学名誉教授)
日本のサプライサイドを活性化し、潜在成長率や生産性を上げるにはデジタル技術が鍵になると伊藤元重氏は明言する。今まで日本企業はデジタルトランスフォーメーションには及び腰だったが、コロナ危機がその状況を一変させてしまった。象徴的なのが大学でのオンライン授業だ。大学だけでなく企業での働き方も同様で、在宅勤務やサテライトオフィスなど、働き方改革に向けての可能性が広がるだろう。(全2話中第2話)
時間:8分42秒
収録日:2020年10月27日
追加日:2020年11月30日
≪全文≫

●サプライサイド活性化の鍵はデジタル技術


 さて、この時点でもう1回考えてみて、日本のいわゆるサプライサイド、潜在成長率とか、あるいは生産性を上げていくには何が必要なのか。そんなに今の中国のようにべらぼうに成長する必要はないわけですが、あまりにも低いですね、潜在成長率が。0.5パーセントポイントでも1パーセントポイントでも上げる方法はないだろうか。生産性も上げる方法はないだろうか。

 こういう形で冷静になって日本の経済を見たときに、日本の経済のサプライサイドを活性化する一番の期待できる要因は何だろうかというと、これはまず政府の政策ではない。政府の政策は重要なのですが、日本のような巨大な民間経済で、政府が何か少し動かせば見違えるように生産性が上がるような、そういう社会ではないのです。

 そう考えると、今の日本の生産性とか成長率を上げてくれる最大の原動力として期待できるものは、デジタル技術しかないのだろうと思います。そのくらい技術革新は激しく動いていて、デジタル技術によって生産性とか成長率に影響が及ぶのです。現に、中国やアメリカでもシリコンバレーが象徴的なのでしょうが、こういう所はまさにそれで経済が動いているのです。


●コロナ危機が日本のデジタルトランスフォーメーションを変える


 日本もやはりそこが重要で、そんなことは皆分かっているから何年も前からデジタルトランスフォーメーション、いわゆるデジタル技術によって経済や社会や企業を変えていくということを、やろうとしてきたのです。しかし、残念ながら日本ではこれが動かなかった。企業の経営者と話してみると、「技術は技術だけれど、経営は経営なんだよ」ということで、非常に反応が鈍かったわけです。一言でいうと、危機感が非常に弱かったのかもしれません。

 非常に皮肉なことに、コロナ危機がこの環境を変えてしまっているところがあるわけで、今やデジタルトランスフォーメーションをしっかり進めていかないと生き残っていけない、というふうに危機感を持ち始めている企業がどんどん増えているのだろうと思います。大学が一番象徴的な例で、今やZoomのようなオンライン手法を使わないと授業ができないわけで、学生は当たり前のようにパソコンをひろげてZoomでプレゼンテーションをし始めています。

 皆がなんとなく感じていることは、もちろんコロナがいずれ収ま...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
半導体から見る明日の世界(1)世界的な半導体不足と日本の可能性
なぜ世界の半導体不足は起きた?台湾TSMCと日本復活への鍵
島田晴雄
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗

人気の講義ランキングTOP10
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
戦国武将の経済学(3)豊臣秀吉の経済政策
豊臣秀吉の驚愕の国内貿易…莫大な財力を生んだ経済政策
小和田哲男
歴史の探り方、活かし方(4)史実・史料分析:秀吉と秀次編〈上〉
史料読解法…豊臣秀吉による秀次粛清の本当の理由とは?
中村彰彦
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
編集部ラジオ2026(31)鶴見太郎先生の「公開収録」のご案内
【公開収録のご案内】鶴見太郎先生:ユダヤ人と世界史…その歴史の教訓とは
テンミニッツ・アカデミー編集部
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎