「Go To トラベル」キャンペーンの意味を考える
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何のためのお金か――エビデンスに基づく政策に必要なこと
「Go To トラベル」キャンペーンの意味を考える(2)EBPMと目的の明確化
政策においてエビデンスに基づいて検証をきちんと行い、データを活用して次のステップに生かしていくことが重要だと柳川範之氏は説く。ただし、そこで課題となるのは、政策の目的である。企業経営とは異なり、政策の場合、目的が複数で複雑になる傾向にある。そこをどう考えて進めていくか。今回の「Go To トラベル」キャンペーンはそのための事例として生かしたい。(全2話中第2話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:11分06秒
収録日:2020年8月19日
追加日:2020年9月10日
≪全文≫

●データサイエンスの発展でもっと可能性は広がるはず


―― そのプロセスがはっきりしていれば、これだけITが進み、みんながスマホを持ち、AIがあってデータベースがある時代ですから、先生がよくいわれる経済学で実験をできると。東大の日次物価指数などはそうした一つの実験だと思うんですが、そうしたことがやりやすくなりますよね。問いが立てやすくなると。

柳川 そうなんです。だから、本来は、そういうIT技術だとかデータサイエンスの発展というのは、いろいろな実験をやってみる、あるいはいろいろ細かいデータを集めてみることで、なぜこういうことが起きているのかということを掘り下げていくとか、あるいは、前回私が申しあげたような、あいだの道というか、つまり「Go Toキャンペーンをやるか、やらないか」ではなくて、あいだのやり方のようなことを議論して掘り下げていく。そうすれば、実は一番いいやり方が見つけられるかもしれない。

 そういうことも、本当はデータとか、あるいはいろんな情報を集めてみることで浮かび上がってくる可能性があると思うんです。そういうことをやや排除してしまっていて、単純な意見の言い合いになってしまう傾向があるということです。


●政策にもエビデンスに基づいた検証が必要な時代


―― でも、そこはすごくもったいないですよね。今回の場合、(総予算が)1.7兆円ほどつくので、偉大な実験ができるときですよね、本来的には。

柳川 そうなんですよね。だから、最近ですと、EBPM(Evidence Based Policy Making)といって、いろんなエビデンスに基づいて政策を決めていきましょうという機運が世界的に高まってきています。日本でもそういう傾向があり、そういうことをやろうという声が上がってきているんです。

 まさに、何か必要だからお金を出す。それはそれであり得る政策だと思うんですけど、ではそのお金の出し方が本当に期待した通りだったのか。あるいは予想もしないことが当然いろいろ起きるわけですが、例えばその予想もしないことが起きたからうまくいかなかったのか、あるいは、もともとのプランがうまくいかなかったのか、そこは実は全然違いますよね、同じようにうまくいかなかったとしても。

―― 違いますね。

柳川 そういうことも含めて、きちっとエビデンスに基づいて検証していく。あるいは、できることなら実験をやった上でこういう...

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