岸田内閣「新しい資本主義」を徹底検証
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
経済論理を無視…岸田内閣の分配政策を検証する
岸田内閣「新しい資本主義」を徹底検証(2)分配政策の具体像
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
「分配」を大きな政策課題として掲げる岸田内閣の「新しい資本主義」。具体的にどのような分配政策を考え、実行しているのか。これまでの施策の課題を検証し、行うべき施策を議論する。(全4話中第2話)
時間:14分46秒
収録日:2022年7月7日
追加日:2022年9月29日
≪全文≫

●貧困の実態を把握できていない政府


 皆さんと一緒に、これまで岸田首相が「分配」に関して具体的に何をしてきたのかを少しフォローしてみたいと思います。分配と抽象的にいうと、何のことだかよく分かりませんので、具体的にいくつか申し上げます。

 2021年の暮れ、岸田内閣が動き出してすぐですが、18歳以下に10万円(相当)を給付しましょうという議論があったことを覚えておられると思います。それを年末までに給付したいのだということで、かなり急いだのです。岸田首相に圧力をかけたのはおそらく公明党だと思います。給付の定義はどうするかというと、親の所得が960万円未満の家庭に給付するというのです。実はこれは相当な高所得の人を含みます。仮に夫婦共稼ぎで、夫が950万円ぐらい稼いでいて、妻が800万円ぐらい稼いでいると、世帯としては千数百万円の所得ですから、中産階級の上ぐらいでしょうか。こういう世帯にも10万円を配るということにしたのです。

 これは非常に不公平だと思います。もっと貧乏な人がいるわけで、その恵まれない人を救済するのか、それとも若い人にお金を渡して消費を喚起するのか、どちらなのか判然としない政策でした。

 なので、経済政策としてはものすごく非効率です。高所得者も含んでしまうからです。救済なのか、消費喚起なのか、よく分かりません。救済だとしたら、とんでもない間違いです。

 私はある大きな大学の理事長をしていましたけれど、コロナ禍にアルバイトがないので、朝の給食を実施したら、何百人の学生がもらいに来ました。本当に苦労している学生さんもいるのです。

 それから、(最初の10万円給付の時、)何十人かの経営者と一緒になって、たくさんの人に声を掛けて億の単位でお金が集まり、それを毎日の食事をちゃんと食べられない子どもたちに配ろうと、色々なネットワークを使って実行しました。本当に食べられない子がいるのです。だから、子ども食堂などはずいぶんやられていて、全国で何十カ所かあります。そういうところには本当にお金を渡さなきゃいけないのですが、それをしていないのです。

 実態をちゃんと探そうと思えば、困っている子どもたちや若者はたくさんいるのです。ということは、データを政府は掌握していない。要するに、DXといいますけど、デ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
半導体から見る明日の世界(1)世界的な半導体不足と日本の可能性
なぜ世界の半導体不足は起きた?台湾TSMCと日本復活への鍵
島田晴雄
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(27)昭和の名将・根本博
【10min解説】根本博…戦後の内蒙古での激闘と台湾での義戦
テンミニッツ・アカデミー編集部
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(5)1人の力で歴史を変えた男たち
大義にもとづく「個人の決断と行動」が歴史を動かす…名将の教訓
門田隆将
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(1)軍人の本義を貫いた根本博中将
ソ連軍から在留日本人4万人を守れ…内蒙古での「戦後」の激闘
門田隆将
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(3)祖先崇拝の5つの特徴
夢魔の重圧?…なぜ「バチあたりの人間」が村八分になるのか
賴住光子
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦