東大を人と人をつなぐ学びの場に
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
東大発ベンチャーで「好きなことをやる」ことが大発展を生む
東大を人と人をつなぐ学びの場に(4)予算思考からの脱却
藤井輝夫(東京大学第31代総長)
 これまで東京大学は国立大学だったこともあって「予算」思考であった。だが、今の日本では、それでは尻つぼみになりかねない。「やりたいこと」「やるべきこと」をまず高らかに打ち出し、それをもって社会と対話し、共感を得て、協働していく。さらにいえば、そこに投資の仕組みを組み込めば、東大発ベンチャーが成長の核にもなりうるだろう。そのとき、「ビジネス」を目的としてガツガツ取り組むよりも、「好きなことに好きなだけ打ち込んでクオリティを上げる姿勢」が、大学生にはよく似合う。好きなことが世界につながり、仲間を増やし、ともに実現された夢がまた次のチャンスを連れてくる。そのような前向きの循環が、世の中を良くしていくのだ。(全4話中第4話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:12分12秒
収録日:2021年3月17日
追加日:2021年4月26日
カテゴリー:
≪全文≫

●「これをやりたい」ということを予算より先に考える


―― 今まで日本の国立大学は、文科省の予算に縛られているため上限が決まっていて、どちらかというとどんどん減らされる方向で進んできました。藤井先生のような考え方でいくと、逆に、学生とともに(社会)実装することによって、お金も一緒に集まるような組立図が可能になりますね。

藤井 そうですね。やはりもう発想を変えなければいけないと思っています。今までは、まさにおっしゃる通り、配分された予算をどう配るかということで、上限も決まっていました。これからはむしろ、「これをやったらいいのではないか」ということを考えて、まず「やる」ということを決めていく。やるのだけど、そのためにはどうお金を手当しようか、という順番にするわけです。

 私はこれまでに寄付や基金の担当もしてきましたが、これもやはり「これがやりたいんだ」ということがなければ、寄付をお願いするにしても、何のための寄付なのか分からないわけです。「やるべきこと」が先になければ、支援も受けられない。そこも、まさに「対話と共感」になると思います。

 つまり、「こういうことがしたいので、ぜひ支援してください」。あるいは今のお話で言えば、「学生にぜひこれをやってもらいたい。この学生たちをサポートしてもらえませんか」という順番でものを考えるということだと思うわけです。

 寄付でサポートできる場合もあるでしょうし、違う財源でカバーする場合もあるでしょうけれども、やはり発想の順番を変えないといけない。「なけなしのお金で、やれることだけをやろう」といった発想では、やはり活動全体が縮こまってしまうので、そこのマインドは変えないといけないと考えております。


●「好きなこと」が世界につながり、社会をよくしていく


―― 日本版「REIT」の取り組みが三井不動産の岩沙(弘道)さんの先導で行われてきました。彼も26年間にわたり不動産業のトップを走っているので、日本の会社では珍しい方です。マンハッタンやロンドンがどうしてきれいになったのかを研究していて、REITの仕組みにたどり着かれました。2600億でスタートしたものが、今では34兆ぐらいになっています。東京が大改革できたのは、REITと規制制限の撤廃が大きかった。これがなければ、こんなに短期間で東京はきれいにならなかったと思います。しかも、34兆の資金が湧...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
「ホメロス叙事詩」を読むために(1)ホメロスを読む
2700年前のホメロスの叙事詩が感動を与え続ける理由
納富信留
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
『「甘え」の構造』への誤解…甘えはダメなものなのか?
與那覇潤
デカルトの存在論に学ぶ(1) 「我思う、ゆえに我在り」
「我思う、ゆえに我在り」はデカルトの専売特許ではない
津崎良典

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(3)孤食リスクと加齢に伴うホルモン変化
「孤食」が危ない…独身男性の一人の食事はうつのリスク2倍以上に
小川純人
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
心と感情の進化(1)そもそも「心と感情」とは何なのか
「心と感情」とは何か、行動生態学から考える大事な問題
長谷川眞理子
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉