カーボンニュートラル革命と日本の未来
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
カーボンニュートラル革命が今、ビジネス世界で起きている
カーボンニュートラル革命と日本の未来(1)EVの普及と日本の現実
猪瀬直樹(作家/参議院議員)
今や環境問題は国際的に取り組むべき課題となっており、カーボンニュートラルの実現に向けた各国の動きが注目されている。その取り組みの一つとして、従来のガソリン車よりCO2排出量を大幅に削減できるEV(電気自動車)への移行がある。中国とドイツがEV販売台数トップクラスに躍り出た背景には何があったのか。(全3話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分46秒
収録日:2021年7月30日
追加日:2021年8月27日
≪全文≫

●日本は世界から取り残されているという現実


―― 皆さま、こんにちは。本日は猪瀬直樹先生に「カーボンニュートラル革命」についてお話を伺います。先生どうぞよろしくお願いします。

猪瀬 よろしくお願いします。

―― このたび先生は『カーボンニュートラル革命』という本をビジネス社さんから発刊されて、私も早速読ませていただきました。非常に印象深かったのは、日本人だと、例えば「日本の環境技術は世界に冠たる素晴らしいものがある」、「環境の進展度合いはとても進んでいる」という認識を持っていると思いますが、実は今の世界はガラリと変わってしまっているということです。その辺りを先生はどう考えていますか。

猪瀬 日本は環境技術先進国だと日本人は思っています。ところが、実は世界から取り残されているということを新しくデータを入れながら書きました。これはちょっと驚くべき状態です。これで日本は大丈夫なのかと私は思いました。

 かつて日本には携帯電話を製造する優秀な家電メーカーがたくさんあって、海外にどんどん進出していくと思っていました。

 それがガラケーです。しかし、ガラケーがまさにガラパゴスの携帯電話として取り残されていきます。そして、ガラケーに少し工夫してiモードにしました。トヨタがハイブリッド車をつくりましたが、これはガラケーに即していえば、iモードをつけただけです。これについては後で詳しく話します。

 Appleがバーンと日本に来て、スマートフォンがバーッと普及しました。そうすると、もうガラケーもダメですし、そこにiモードを付けてももうダメです。それが、今の「カーボンニュートラル革命」という言葉の中のビジネスの世界でも起きているということです。

 それをもう少し詳しく説明します。EV(Electric Vehicle、電気自動車)が中国でもヨーロッパでもどんどん新しい形で改良され、発明され、進んでいる状態です。もちろんアメリカには有名なテスラがあります。そうしたEVが世界的にものすごい勢いで普及し始めているときに、まだ日本は「ハイブリッドだ」と言っていました。最近でもそうです。今慌てて切り替えようとしていますが、完全に出遅れています。

 日産のリーフは、「世界で初めてのEVの量産車」といわれて、2010年に大量生産を始めました。そのリーフが伸び悩んで、ずっと低迷しています。そういう中で、世界のEVの...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
中国の「なぜ」(1)なぜ「中国は一つの国なのか」
武力で負けても文化で勝つ? 恐るべし「中原」の同化力
石川好
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹

人気の講義ランキングTOP10
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義
プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性
大塚有希子
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
歴史の探り方、活かし方(7)史料の真贋を見極めるために
質疑編…司馬遼太郎の「史料読解」をどう評価する?
中村彰彦
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
熟睡できる環境・習慣とは(2)酒、コーヒー、ブルーライトは悪者か
ブルーライトは悪者か?近年分かった「第3の眼」との関係
西野精治