カーボンニュートラル革命と日本の未来
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日本のEV普及はなぜ遅れた?トヨタが踏み切れなかった理由
カーボンニュートラル革命と日本の未来(2)取り残される日本の自動車産業
猪瀬直樹(作家/参議院議員/日本維新の会 参議院幹事長)
巨大な自動車産業を抱える日本において、EVの普及が遅れている。なぜトヨタはEVに踏み切るのが遅れてしまったのか。そこには、トヨタだけではなく、われわれ消費者側の環境意識にも原因がある。企業においても、環境へ配慮した取り組みは経営戦略の中核的要素になっており、国全体として環境意識を高めていくことが求められている。(全3話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:8分18秒
収録日:2021年7月30日
追加日:2021年9月3日
≪全文≫

●20年先の予測では世界のベスト30に日本企業がいなくなる


猪瀬 EVで一番有名なテスラは、どんどん投資して、カリフォルニアだけにあった工場をネバダにもつくりました。そして、電池工場と車の組み立て工場を一緒にしたギガファクトリーを上海につくりました。さらに今度はベルリンにもつくり、世界に拠点を置いています。今の年産は50万台ですが、テスラの株式時価総額はトヨタが30兆円なのに対して、テスラは60兆円です。

 国別ではドイツと中国がトップ争いをしていますが、単独のメーカーだけでいうと、テスラがトップです。日産のリーフは最初にEVの量産車を出しましたが、低迷していて、グラフでは下降線をたどっています。トヨタはハイブリッドで満足していて完全に出遅れました。

 アメリカのパイパー・サンドラーという投資会社が、2040年のEV自動車のシェアをシミュレーションで出しました。それによると、2040年にフォルクスワーゲンは、全体のシェアで11パーセントを取っています。台数では約1000万台なので、今とあまり変わりません。これはEVだけの数です。なぜなら、そのときには世の中の車の95パーセントはEVになっているからです。2030年~2035年には、新車はEVしか売ってはいけない時代に入っています。2040年時点では、フォルクスワーゲンは今と同じように約1000万台です。テスラは今たった50万台ですが、それが800万台以上になり、フォルクスワーゲンにほとんど接近している状況になります。

 その中でパイパー・サンドラー社のシミュレーションにおける予想は、トヨタに対して厳しいものがあります。トヨタは今の生産台数の40パーセントぐらいになってしまい、400万台になるといわれています。つまり、今はフォルクスワーゲンとトヨタが1000万台で競っている世界ですが、フォルクスワーゲンは1000万台を維持する一方、トヨタは400万台に減ります。そして、テスラは1000万台に近くなっています。こういう状況です。

 この予想が本当に当たらなければいいんですが、しかしもしそうなったときに、日本の企業の中でいつも世界のベスト30に入っているのはトヨタの一社だけなので、それが無くなってしまいます。これはとんでもないことです。

―― そうですね。それがわずか20年先の予測として出されているとい...

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