勇気について
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Jリーグのコロナ対策成功の裏にあった「自らと自ずから」
勇気について(9)「自ら」と「自ずから」
Jリーグが新型コロナウイルス対策に本格的に乗り出したのは、2020年1月22日のこと。まだ政府も医師も、コロナ対策について、ほとんどわかっていないときだった。Jリーグは、いち早く試合の中断を決定。感染対策を徹底させたのち、今度はいち早く、試合の再開を進めた。これも村井満氏の取り組みの中で、もっとも素晴らしいものの1つである。ここで村井氏を支えたのは「自ら」と「自ずから」の話であった。意味が正反対の「自ら」と「自ずから」に同じ漢字を使うのは、両者が実はつながっているからなのである。この2つの対極概念を考え抜くことで、アウフヘーベンへの道が見えてくる。(全10話中第9話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分16秒
収録日:2021年9月2日
追加日:2021年12月24日
カテゴリー:
≪全文≫

●誰もコロナ対策がわからぬ時期に、なぜ英断できたのか


執行 コロナ対策もすごかったです。今はコロナの時代で、コロナ対策についてスポーツ団体はどこも大変だと思います。病気の蔓延、経済、スポーツ精神またはスポーツのイベント性、それらの狭間にはさまれて、トライアングルで、大変な苦悩があったと思います。ここでもアウフヘーベンを成し遂げました。

 これを成し遂げていなかったら、あれほど早く再開できなかった。感染者が出始めた頃で、まだ政治家も医者もコロナ対策が何か、全然まだわからない時期に、Jリーグは早くも感染予防について、ものすごい体制をとりました。まだ大きく騒がれていなかった時期からです。

 あとから考えると簡単ですが、政治家も医者も誰もが軽く考えているときに、あれだけのことをJリーグのチェアマンとして本当に実行するのは大変なことです。だから1つのアウフヘーベンなのです。それをやった勇気は、大変なものなのです。

村井 2020年1月22日だったと思いますが、Jリーグの57あるクラブ全部にコロナ対策担当を配置して、徹底的に連携を取ろうと申し合わせたのが、国内感染数が1名のときです。そして2月に試合を中断し、その翌日、政府が大規模イベントの自粛要請を出しました。

執行 そうです。自粛要請の前です。

村井 学校休校も、そのあとです。とにかく早く、徹底的に対応する。相手がどういうものか、よくわからないので。

―― あの時期はそうですね。

村井 それで4カ月、中断しました。

執行 チェアマンとして、あれだけのプロ集団を4カ月中断する決断ができるのは大変なことです。これは自己責任の、最高のものの1つだと、私は思います。村井さんのやった業績の中でも、最高のものでしょう。これこそアウフヘーベンなのです。あの時期ですから。

 今だったらこれだけ資料が出ているのでやれますが、誰もやる必要を感じていない、誰もやっていないときにやった。これは今までいくつも出した、勇気のアウフヘーベンの中でも集大成的にすごい1つだと思います。その後、有観客試合をやることになり。1600試合でしたっけ?

村井 徹底的に対策を講じて試合再開してから、今日まで1600試合ぐらいやっています。先ほどの二元論ではないですが、「国民の健康に危害を加えるのか」「その感染対策でいいのか」といった話と、「これ以上中断したらクラ...

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