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ブラジルは21世紀を代表する成長国で非先進国のリーダー

ブラジル訪問に学ぶ(1)「犯罪立国」ブラジルの問題と底力

島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツTV副座長
概要・テキスト
島田晴雄氏は、日本が学ぶべき点があるとしてブラジルとアゼルバイジャンに注目しており、2014年前半に両国を訪問した。現地での見聞から学び、日本の将来を考える、シリーズ講演前半のブラジル篇第1話目。(2014年10月2日開催島田塾第117回勉強会島田晴雄塾長講演より、全7話中第1話目)
時間:17:53
収録日:2014/10/02
追加日:2014/12/05
≪全文≫

●日本が参考にしたい、ブラジルの明るさ


 「ブラジル、アゼルバイジャン訪問から学ぶこと」と題して、若干のお話をさせていただきます。

 なぜ、ブラジルとアゼルバイジャンなのかというと、二つとも今年の前半にかなりしつこく訪ねて、現地でいろいろな知見をしたという理由もあります。また、この両国は全然違った意味で、日本にとって参考になるというか、われわれにとって大変参考になるものをいくつか含んでいると思うのです。それがなぜ参考になるのかということを理解するために、現地に行ったぐらいのつもりで少し皆さまにお考えをいただくと、「うん、なるほどな」ということが出てくると思います。割に詳しい話になって恐縮ですけれど、聞き流していただければと思います。

 ブラジルでは10月5日に大統領選挙の第一回目の投票が行われます。今、日本ではそれほど報道されていませんけれど、『フィナンシャル・タイムズ』は毎日のように大きい記事で、「どうなるんだ」と報道しています。ブラジルは、相当な大国ですからね。女性同士でギリギリの接戦をやっていて、世界中が注目しています。

 ブラジルという国は、良かったり悪かったり、浮き沈みが相当激しいのです。10年ごとに国の様相が変わります。しかし、国民は結構あっけらかんとして、とんでもないことも平気で耐えていて、明るいのです。私は最後にそのことを日本に対して少々申し上げたいと思うのですが、あのブラジルの明るさをどこか学んだ方がいいなという感じがします。今の日本は少し暗すぎます。暗すぎるというか、やる前にあきらめてしまっているようなところがあるので、少しまずいなと思います。

 ブラジルがどのような経験によって、激しい浮き沈みを乗り切っていたのかを少しお知りになると、どなたか友人に「こんなことがあったんだよ」と話せるかもしれないので、少し詳しく知っていただくといいかなと思います。


●アゼルバイジャンとそこから見えてくるロシア


 それから、アゼルバイジャンは小さな国で、箱庭のような国です。実は、ここには島田村塾の仲間と訪ねたのですが、行く前にいろいろと勉強しました。小さい国ですが、一言で言うと、そこを通してロシアのやり口がにじみ出ていますね。今、ウクライナがどうなるのかということで、世界中でもうひっくり返したような大騒ぎですが、実は今はウクライナであって...
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