本当によくわかる「量子コンピュータ入門」
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量子コンピュータの作り方…4つの開発方式で主流なのは?
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(4)開発の現状
武田俊太郎(東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻准教授)
量子コンピュータには「超伝導回路」「イオン」「半導体」「光」といった複数の開発方式があるが、全てに共通する課題として、エラーへの対処法が挙げられる。「エラー訂正」の仕組みは存在しているが、それを完全に実現するための道のりは遠いのが現状だ。そこで、今はその完成を目指すとともに、「エラー訂正」がきかない状態での活用法の研究も進められている。(全4話中第4話)
時間:11分15秒
収録日:2022年3月9日
追加日:2022年8月16日
カテゴリー:
≪全文≫

●典型的な量子コンピュータの開発方式が4つある


 これまで仕組みのお話をしてきましたが、最後に「開発の現状」をお話ししたいと思います。

 例えば、従来のコンピュータでは「01」というビットを、トランジスタという電気のスイッチのON/OFFで表すことはすでにお話ししました。

 このように、情報を何らかの物理的なもの、物理現象を使って計算させることになるのですが、量子コンピュータの場合は0と1の「重ね合わせ」という情報を何らかの量子を使って表して計算させる必要があります。ただ、重ね合わせになるものなら何でもOKです。そういう意味では、量子にもさまざまな種類がありますが、量子なら何でもOKということになります。実際、原子を使う量子コンピュータ、電子を使う量子コンピュータ、光の最小単位である光子を使う量子コンピュータというように、さまざまな量子コンピュータの作り方、その方法があり、今同時並行で開発が進められています。

 それらに共通する大きな課題は、量子という非常にミクロな粒子はとてもデリケートなので、外からいろいろな影響を受けることですぐに情報が書き換えられたり、エラーが起きたりしてしまうため、エラーにどのように対処していくかということになります。

 ここで典型的な量子コンピュータの開発方式を4つ紹介します。「超伝導回路」「イオン」「半導体」「光」とスライドに書きましたが、今主流でもっとも進んでいるのは超伝導回路を使う方式です。数センチくらいの電気回路を冷やして低温にして、超伝導という電気抵抗ゼロの状態にすることで動かすタイプの量子コンピュータで、Google、IBMといった大手の企業が研究に乗り出しています。

 また、イオンを使う方式の量子コンピュータも、超伝導と肩を並べるくらいに優れたものが開発されています。イオンは原子のことで、原子の電荷を帯びたものがイオンと呼ばれます。イオン、つまり原子1個1個を量子ビットとして使って計算させるのがイオンの方式で、ベンチャー企業をはじめさまざまな企業が研究開発に取り組んでいるところです。

 これら2つの主流の方式の後を追うように今、半導体を使う方式も開発が進んでいます。今のコンピュータも半導体でつくられていますが、その技術を応用することによっ...

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