本当によくわかる「量子コンピュータ入門」
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
量子コンピュータの作り方…4つの開発方式で主流なのは?
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(4)開発の現状
武田俊太郎(東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻准教授)
量子コンピュータには「超伝導回路」「イオン」「半導体」「光」といった複数の開発方式があるが、全てに共通する課題として、エラーへの対処法が挙げられる。「エラー訂正」の仕組みは存在しているが、それを完全に実現するための道のりは遠いのが現状だ。そこで、今はその完成を目指すとともに、「エラー訂正」がきかない状態での活用法の研究も進められている。(全4話中第4話)
時間:11分15秒
収録日:2022年3月9日
追加日:2022年8月16日
カテゴリー:
≪全文≫

●典型的な量子コンピュータの開発方式が4つある


 これまで仕組みのお話をしてきましたが、最後に「開発の現状」をお話ししたいと思います。

 例えば、従来のコンピュータでは「01」というビットを、トランジスタという電気のスイッチのON/OFFで表すことはすでにお話ししました。

 このように、情報を何らかの物理的なもの、物理現象を使って計算させることになるのですが、量子コンピュータの場合は0と1の「重ね合わせ」という情報を何らかの量子を使って表して計算させる必要があります。ただ、重ね合わせになるものなら何でもOKです。そういう意味では、量子にもさまざまな種類がありますが、量子なら何でもOKということになります。実際、原子を使う量子コンピュータ、電子を使う量子コンピュータ、光の最小単位である光子を使う量子コンピュータというように、さまざまな量子コンピュータの作り方、その方法があり、今同時並行で開発が進められています。

 それらに共通する大きな課題は、量子という非常にミクロな粒子はとてもデリケートなので、外からいろいろな影響を受けることですぐに情報が書き換えられたり、エラーが起きたりしてしまうため、エラーにどのように対処していくかということになります。

 ここで典型的な量子コンピュータの開発方式を4つ紹介します。「超伝導回路」「イオン」「半導体」「光」とスライドに書きましたが、今主流でもっとも進んでいるのは超伝導回路を使う方式です。数センチくらいの電気回路を冷やして低温にして、超伝導という電気抵抗ゼロの状態にすることで動かすタイプの量子コンピュータで、Google、IBMといった大手の企業が研究に乗り出しています。

 また、イオンを使う方式の量子コンピュータも、超伝導と肩を並べるくらいに優れたものが開発されています。イオンは原子のことで、原子の電荷を帯びたものがイオンと呼ばれます。イオン、つまり原子1個1個を量子ビットとして使って計算させるのがイオンの方式で、ベンチャー企業をはじめさまざまな企業が研究開発に取り組んでいるところです。

 これら2つの主流の方式の後を追うように今、半導体を使う方式も開発が進んでいます。今のコンピュータも半導体でつくられていますが、その技術を応用することによっ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
科学的思考はなぜ大切か(1)「状態図」という概念
科学的思考とは「なぜ?」を追究していくこと
岡部徹
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
IoTとは何か~モノのインターネットの本質(1)TRONは究極の「縁の下の力持ち」
坂村教授が開発したTRON―知られざる世界標準
坂村健

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(39)上野誠先生の万葉集講義と現代
【10min解説】万葉集に学ぶ「公務員倫理法」の大失敗?
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(6)ピョートル大帝の宗教改革
王座に乗った革命家・ピョートル大帝の「宗教改革」と、ソビエト時代のロシア正教の「弾圧」と「利用」の実情
上月豊久
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(1)キスカ島撤退作戦
5200人の将兵を救え…米軍も称賛した「キスカ島撤退作戦」の奇跡
門田隆将
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
バッハで学ぶクラシックの本質(1)リベラルアーツと音楽
音楽の父バッハ…なぜ「音楽」が西洋でリベラルアーツなのか?
樋口隆一
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠
ロシア「内政・経済・外交」の真実(1)国民の支持を意識するプーチン政治
ウクライナ侵攻も支持率対策か…プーチン政治の実態に迫る
上月豊久