江戸とローマ~哲人と俳人
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大谷翔平選手が現代の「粋」を体現!?一生懸命よりも遊び心
江戸とローマ~哲人と俳人(4)現代の「粋」とグローバリゼーション
本村凌二(東京大学名誉教授/文学博士)
現代の「粋」について考えるとき、大谷翔平選手の名を挙げる本村凌二氏。彼の「二刀流」には野球をとことん楽しみたい、野球の楽しさを体現したい、そんな楽しみ方、遊び心があるのではないだろうか。そして、江戸とローマでなぜ「粋」が生まれたかを考えると、そこには物質的なゆとりだけではなく、グローバリゼーションの時代が生んだ多様な人々との交流、情報の交換が影響しているのだろう。(全4話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分05秒
収録日:2021年9月16日
追加日:2023年10月12日
≪全文≫

●一生懸命だけじゃない!現代の「粋」を野球の楽しみ方で体現する大谷翔平


―― ところで、先生。現代において「粋」というのはどういう見せ方をするべきものだと思いますか。

本村 やはり私は、遊び心というものが非常に大切なのではないかと (思います)。つまり、何かに一生懸命というのは大事なことですけれども、なりふりかまわずそれになっているというよりも(ということで)、大谷翔平(選手)を見ていると、彼にはそういうところがあるのではないかと。つまり、ピッチャーとホームラン王争いをするような、二つのものを自分の中に持っているとき、これは普通に考えれば、当然どちらかに専念したほうがいいわけですけれども、彼の中にはおそらく何かを極めたいというより、野球を楽しんでいるのではないか。 野球を楽しむには、実際彼がやっているように投げて、打って、盗塁もする。そういう野球の楽しさを自分のできるかぎりやっている。そういう楽しみ方や遊び心がある(のでしょう)。

 それから、彼の言ったせりふ(発言)で私が非常に驚いたのは、「二刀流をやっていくことができなくなったら、どうするのですか」と訊かれた時の返答です。彼は「ぼくが辞めればいいのです」と言っていました。そうなったときには、あっさり野球を辞めればいい、と。

 そこに彼なりの、野球をどこかで楽しんでいる姿勢、自分はこれで楽しんでいるのだから、他の人からどうこう言われることではないという(部分が感じられました)。自分がやっていることをどこかで遊んでいられるようなところがあるのです。

―― やはり遊ぶ心と、何が楽しいかを自分が決めるというところが大事なのでしょうね。

本村 そうですね。やはり自分が大事だし、そのことは一生懸命やるのだけれど、100パーセントなりふりかまわずそれだけを見ているというのではなく、どこかにそういう物事を楽しんでいる自分なり部分がないと。

 世界史上のいろいろな人物を見ても、アレキサンダー大王、カエサルなどのような人たちは、どこかにそういう余裕があったのではないかと思います。

―― よく、いわゆる遊ぶことではなく、余裕の部分を「あそび」ということがあります。そういう意味での「あそび」を持っているというか、そういうところですね。

本村 そうですね。そういう部分を持っていないと何事においても、大成しないというような...

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