パレスチナ問題…解決への道
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
前衛のハマス、後衛のガザ市民?…聞こえてこない住民の声
パレスチナ問題…解決への道(2)聞こえないガザ市民の声と悲劇の本質
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
ガザの悲劇を報道する記事や映像に、被害者であるガザ市民の声が含まれることはまれだ。ハマスに賛同して共闘をも覚悟する人からハマスの政治・軍事責任を厳しく追及すべきと考える人まで、多様な声が聞こえてこない。それは取材の不徹底によるものなのか、それとも言論統制の由々しき事態が起きているのか。多様性の許されない環境に潜むガザの悲劇の本質に迫る。(全5話中第2話)
時間:12分11秒
収録日:2023年12月11日
追加日:2024年1月22日
カテゴリー:
≪全文≫

●ハマスの攻撃の裏に隠されたガザ市民の声


 皆さんこんにちは。今、パレスチナ地区のガザ地域で起きている悲劇について、識者の中には精密な空爆や特殊部隊にたよって厳密に考えれば、市民を攻撃しなくても済むのではないか、あるいは市民を攻撃するべきではないというまことにもっともな意見、考え方も出ているわけですが、なかなかこれは(うまくいかない。)ガザというすこぶる人口密度が高く、東京都の区部全体にも満たない狭い地域においては、必ずしも円滑にいくとは限らないということが、今回の悲劇を生み出しているわけです。

 そもそもガザ市民とハマス、一般住民とハマスの活動家をどのようにして区別するのかというのが、なかなか難しい問題です。ハマスは、かつての毛沢東風にいえば「人民の大海」、人民の大きな海の中に隠れ、そしてときには人民と一体化して戦っているわけです。

 あるときには人民の大海に隠れながら、そしてあるときには「人民と一体化している」ということをいいながら、住民の一部を巻き込む形で戦うことも辞さなかった。そういう歴史的なかつての光景を目に浮かべることもできます。

 (それが)日本や欧米において伝わってこない、ともすればわれわれに理解できないのは、ハマスの戦術がそもそも戦闘員と非戦闘員の区別を曖昧にしてイスラエルの攻撃をしばしば誘発し、あるいはイスラエルの攻撃を招いても仕方のないような戦術ないし思惑を取っているということです。

 これについて、一般のガザ市民はどう考えているのか。そういうことが、少なくとも日本の報道者たちは、私の知る限り分析していないのではないかと思えてならないのです。

 一般市民があれだけ犠牲として戦火に巻き込まれているならば、そういう戦火を招いた主体として「イスラエル軍が悪い」というのは当然ですが、そもそもそれを挑発的に招いたハマスの責任やその動きをどう考えるのか。これは何も性急に批判するとか賛成するというような問題ではなく、また「立場・党派性を明らかにしろ」というところに直ちに行き着く問題でもありません。

 そうではなく、批判的な意見やハマスの攻撃に対して攻撃的な意見といった多様な意見がそもそも最初においてはあったはずです。しかし、そうしたことを取材して考えていくという多様性が、ハマスのああいう目立った攻撃をもとに消されてしまい、ガザ市民の本...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生

人気の講義ランキングTOP10
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(9)ユダヤ人の多様性
ユダヤ人は一枚岩ではない…米国ユダヤ人のイスラエルへの違和感
鶴見太郎
「逆・タイムマシン経営論」で磨く経営センス(1)人口問題の本質
「逆・タイムマシン経営論」は本質を見抜くための方法論
楠木建
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(1)決断と信念のユダヤ人救出
毅然として人道を貫き、命を救う…樋口季一郎のユダヤ人救出
門田隆将
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
三日坊主、部屋が片付かない…なぜできないか行動分析学で考える
島宗理
編集部ラジオ2026(12)自転車の青切符と「法と自粛」
【10minで考える】自転車の青切符と「法と自粛」
テンミニッツ・アカデミー編集部
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
生き抜くためのチカラ~為末メソッドに迫る(4)人生の勝敗を考える
幸せの鍵「なにげなさ」とは何のことか
為末大
不便益システムデザインの魅力と可能性(1)「便利・不便」「益・害」の関係
「不便益」とは何か――便利の弊害、不便の安心
川上浩司