パレスチナ問題…解決への道
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ガザの安定と復興は可能か…パレスチナ自治政府の可能性
パレスチナ問題…解決への道(3)ガザ再建への早すぎる問い
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
いかにすればガザの安定と復興は可能なのか。戦争終結が見えてこない現在、このガザ再建への問題提起は現状では早すぎるといわれるだろうが、今後の中東を平和と秩序に導く核心的な問いである。政治主体をパレスチナ自治政府に戻し、「2国家解決案」とヨルダン川西岸の入植中止の問題を誠実に果たすことこそが出発点になるはずだろう。(全5話中第3話)
時間:8分20秒
収録日:2023年12月11日
追加日:2024年1月29日
カテゴリー:
≪全文≫

●ガザの安定と復興はいかにして可能なのか


 皆さん、こんにちは。

 ガザにおいてまだ戦争終結が見えてこない現状においては、次のような質問というのはまだ早すぎるかもしれません。それは、ガザの安定と復興はいかにして可能なのかという(ことです。)これは早すぎる問いかもしれませんが、一応私たちのシナリオとして、この不幸な悲劇を甘受せざるを得なかったガザ市民のために、やはり考えざるを得ない問いではないかと思います。

 パレスチナのインフラを作り、あるいは再建しては、また壊され、あるいは壊すという行為に出る人たちは、これまでもたくさんいました。そのため、中東に対する欧米の支援などにあるように、インフラ整備や再建を嫌悪する傾向が出てきます。西側の欧米や日本には、そういうインフラ整備や再建を嫌悪する一種のニヒリズム(援助ニヒリズム)の立場が、一部で見られます。

 たとえどの国であろうと、こうした気持ちは、納税者の立場から見ると分からぬわけでもありませんが、パレスチナに老人、婦女子、子ども、乳幼児といった、紛争で被害を集中的に受ける弱者が厳然として存在していることは事実です。

 これらを救い、そしてガザを再建できる人々、これは国内の人間たち──私たちのような外国人や国連といったようなものではなく──もちろん、最初にして最終的に必要なのはパレスチナの人々を代表する政治主体は誰か、何かという問いにつながります。


●パレスチナ自治政府の問題点と誠実な面


 私は、やはりこれはあくまでもパレスチナ自治政府以外にはないと思うのです。パレスチナ自治政府は確かに腐敗や汚職にまみれた組織だという声をよく聞きます。しかし、考えてみると、残念ながらアラブ諸国、特にアラブの共和国の政権で、過去も現在も腐敗や汚職が皆無であったような国、あるいはそれらを克服した政治家たちが果たしていたのかどうか。このような、それこそニヒルな問いに向かわざるを得ないのです。

 問題の本質は、やはり戦争と平和という点にあるのではないか。ハマスは戦争を選び、そしてパレスチナ自治政府は何といわれようとも平和を維持してきた、そういう側面はきちんと見なければならないと思います。

 独裁や暴力に苦しみながら、革命やイスラムの原理主義や闘争主義などに従うのか。あるいは腐敗や汚職は確かに不愉快なことですが、当面は競争的...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
ハーディングとトランプ~100年前の米大統領選を読む(1)米国第一主義の台頭
1920年のアメリカファースト…ハーディング大統領の勝利
東秀敏

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ