グローバル化時代の資本主義の精神
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資本主義がスポーツの性格を帯びていた! ウェーバーの主張
グローバル化時代の資本主義の精神(3)ウェーバーの予言とコジェーヴの「世界の日本化」
中島隆博(東京大学東洋文化研究所教授)
マックス・ウェーバーは110年前に、今の資本主義社会の姿を予言した。アレクサンドル・コジェーヴは、アメリカに「歴史の終焉」を見た後の訪日で、日本の生活様式に新たな可能性を見いだし「西洋の日本化」を説いた。そして今、中島隆博氏が「世界の日本化」の意味を問う。(2014年11月7日開催日本ビジネス協会インタラクティブセミナー講演より、全6話中第3話目)
時間:9分28秒
収録日:2014年11月7日
追加日:2015年5月28日
≪全文≫

●ウェーバーの予言-資本主義は禁欲から脱する


 私が今日、皆さんとシェアしたいのは、ドイツの社会・経済学者であるマックス・ウェーバーの予言です。

 「禁欲の精神はこの鋼鉄の“檻”から抜け出してしまった。勝利を手にした資本主義は、今では禁欲という支柱を必要としていない。禁欲の跡を継いだのは晴れやかな啓蒙であった。しかし、啓蒙の薔薇色の雰囲気すら現在では薄れてしまった。職業の義務(天職、Beruf)という思想が、かつての宗教的な信仰の内容の名残を示す幽霊としてさまよっている。“職業の遂行”が、もはや文化の最高の精神的な価値と結びつけて考えられなくなっても、そしてある意味ではそれが個人の主観にとって経済的な強制としてしか感じられなくなっても、今日では誰もその意味を解釈する試みすら放棄してしまっている。営利活動がもっとも自由に解放されたアメリカ合衆国においても、営利活動は宗教的な意味も倫理的な意味も奪われて、今では純粋な競争の情熱と結びつく傾向がある。ときにはスポーツの性格をおびていることも稀ではないのである。」

 これが110年前の予言です。当たってしまいましたね。


●資本主義がスポーツの性格を帯びていた


 大澤真幸氏は、「サッカーと資本主義」と題して、こう言っています。

 「資本主義というのは、パラドックスから生まれている。非常に厳格な宗教的な信仰から、その信仰を否定する形で生まれている。それはサッカーのようなものだ」

 サッカーは、手を使わず、足を使いますので、非常に人間の本性には反した感じです。ところが、それにもかかわらず、いや、それだからこそ、今、世界中に広がっています。こういう関係が資本主義にはあるのではないか、という議論をされているのです。

 私が面白いと思うのは、「スポーツと資本主義を結び付けて議論することができる」と考えている人が、今、少なからずいるということです。そして、ウェーバーはすでにそのことを、「スポーツの性格を帯びていて、もはやここには禁欲という支柱などはない。そういう時代に入るだろう」と、強く言っていたのです。


●資本主義の行きつく先-ウェーバーが出した三つのオプション


 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の最後で、ウェーバーはこう言っています。

 「将来この鋼鉄の“檻”に住むのは誰なのかを知る人はいない...

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