グローバル化時代の資本主義の精神
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
日本資本主義の父・渋沢栄一が『論語と算盤』で説いた道徳
グローバル化時代の資本主義の精神(4)日本の近代資本主義~渋沢栄一から福澤諭吉まで
中島隆博(東京大学東洋文化研究所教授)
日本の近代資本主義の精神にも日本版プロテスタンティズムと言える系譜がある。「道徳」「勤勉」をキーワードに、あるいは、陽明学を受容、時に否定しつつ時代を築いた日本の近代資本主義。渋沢栄一、井上哲次郎、内村鑑三、福澤諭吉の思想を中島隆博氏が解説する。(2014年11月7日開催日本ビジネス協会インタラクティブセミナー講演より、全6話中第4話目)
時間:17分03秒
収録日:2014年11月7日
追加日:2015年5月28日
≪全文≫

●『論語と算盤』で立てた渋沢栄一の道徳経済合一説


 少し日本の近代を振り返ってみたいと思います。

 渋沢栄一は、当然、皆さんご存知ですよね。ただ、渋沢の著書をお読みになったことはありますか。一番有名なのは『論語と算盤』ですが、タイトルがおかしいでしょう。しかし、まさに渋沢は、そこでマックス・ウェーバー的な「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」を反復しようとしました。日本でもできるはずだと考え、「道徳経済合一説」を立てるのです。

 『論語と算盤』は1916年が発刊されたのですが、その前から渋沢はこの議論をしているのです。冒頭で少し不思議なことを言っています。

 「一日、学者の三島毅(中州)先生が、私の家へ来られた。自分が年賀状にもらった絵を見せた。そこには論語と算盤の絵が描いてあった。それを見て、面白いと言われた三島先生は、『私は、論語読みだ。お前は算盤の方だ。算盤を持っている人間が論語を論じる以上は、自分も算盤のことをやってみよう。論語と算盤をなるべく密着するように努めよう』と話された。」


●「正しい道理の富」を説いた近代資本主義の父・渋沢栄一


 そして、こう言っています。

 「富を成す根源は、仁義道徳、正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することはできない。」

 これが日本の近代資本主義の父と言われている渋沢の考えです。

 三島中州をご存知の方は、おそらく多くないかと思いますが、二松學舎(現在の二松學舎大学)をつくった人で、東宮(後の大正天皇)侍講を務められました。彼はフランスに詳しく非常に近代的な人でしたが、同時に論語や陽明学を近代的に読み直す作業を延々とした人です。非常に面白い人物で、キーパーソンです。夏目漱石も、若い時に三島に習っていますし、中江兆民も習っています。その三島と渋沢は、気が合ったのですね。


●エピソードを通し、繰り返し語った「勤勉という道徳」


 渋沢は、作り話ではないかと疑いたくなるようなエピソードをわざわざ紹介します。自分の父親にいろいろな説教をされるのですが、その中にこういう話があったそうです。

 「自分の実家の近所に勤勉な爺さんが住んでおり、その爺さんがこう言った。『俺は勉強して自分のことを聖齊(せいせい)していくほど面白いことはありませんから、俺は働くことを何より幸福に感じております。...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
福田恆存とオルテガ、ロレンス~現代と幸福(1)曖昧になった日本人の「自然」
小林秀雄から福田和也まで、日本の文芸批評史を俯瞰する
浜崎洋介
「怒り」の仕組みと感情のコントロール(1)「キレる高齢者」の正体
「キレやすい」の正体とは?…ヒトの「怒り」の本質に迫る
川合伸幸
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
三日坊主、部屋が片付かない…なぜできないか行動分析学で考える
島宗理
「徳」から生まれる「感謝の人間関係」
「徳」の本質とは「自己の最善を他者に尽くしきる」こと
田口佳史
世界の語り方、日本の語り方(1)なぜ「語り方」なのか
今後身に付けるべき知性として「新しい語り方」を考える
中島隆博

人気の講義ランキングTOP10
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(6)賃金の未来シナリオ
AIが人間の仕事を「完全代替」したらどうなる?…仕事と賃金の未来
宮本弘曉
【入門】日本仏教の名僧・名著~明恵編(1)批判精神と『夢記』
法然の専修念仏を批判…明恵の「あるべきようは」とは?
賴住光子
編集部ラジオ2026(16)宮本弘曉先生:AI大格差
【10min解説】宮本弘曉先生「AI大格差」仕事と給料の未来
テンミニッツ・アカデミー編集部
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(5)東洋的リーダーシップ
『貞観政要』が人気…日本の経営幹部研修で好まれる理由
三谷宏治
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
ビジョン講座「直観と論理をつなぐ思考法」(1)「ビジョンドリブン」と創造性
妄想から始まる「ビジョンドリブン」で創造的な社会をつくる
佐宗邦威
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
「逆・タイムマシン経営論」で磨く経営センス(1)人口問題の本質
「逆・タイムマシン経営論」は本質を見抜くための方法論
楠木建
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国大名と民衆の過酷な課題…飢饉の常態化をどう生き延びるか
黒田基樹